スキってこと
学校につくまで鈴ちゃんと目があっては二人で笑ってた。
なんかすんごい幸せ。
学校に着いたらすぐに戒に報告しようっと。
別に報告しろとかいわれてないけど昨日心配してくれたし…。
でも教室前とかで言うのは恥ずかしいな。
屋上とかよびだしたら来てくれるかな?
昼購買にご飯買いにいくついでにいこうっと。
どこでいうかはそれから考えれば良いや。
「じゃあリク、また帰りね!」
気がつけば学校についてた。
鈴ちゃんが僕に手振ってる。
「うん!また帰りに」
おれも手をふる。
今日帰りは鈴ちゃんとかえる。
なんか嬉しいな〜。
別に一緒に帰るの初めてってわけじゃないけど幼馴染と彼女じゃシチュエーションが全然違うよ。
なんかもう今日は一日中ニヤニヤしてるかも…。
もう本当幸せ!
「なぁにニヤニヤしてんだぁ?」
どかっと乱暴にあいてる前の席に座り込んできたのは友だちの最上蓮。
おれの友だち。
ってか幼馴染に近いかも。
昔よくおれをからかって鈴ちゃんに殴られてた。
いまだに鈴ちゃんと顔合わせたら喧嘩してる…。
「えへへ…」
おれが笑うと蓮は少し顔をひきつらせ「なんだよ?気持ちわりーな」といった。
「うん。あんね〜…。どうしよ。蓮には言わないどこうかな」
そうおれがいうと蓮は「なんだよいえよ!」といっておれの方を掴みぐらぐら揺らしてきた。
ほんっと昔から乱暴だ。
「わかったわかった言うよ!!おれ昨日…耳かして」
そこまで言って気付いた。
ここ教室のど真ん中じゃん。
「耳?なんで?」
「ききたいんでしょ?早く」
そういうと蓮はしぶしぶおれに耳をだした。
「ほら」
早くしろといったように目で蓮が合図する。
コクリと頷きおれは話をはじめた。
「あんね。おれ昨日鈴ちゃんに告ったの」
そういうと蓮はでっかい声で叫びだした。
「ええっ!?鈴に!?おまえが!?」
「声がでかい!」
耳打ちしてんのに意味ないじゃん。
「あ…悪い」
そういってまた蓮は耳を差し出す。
「で、成功しちゃった」
そういうと蓮は「マジ!?」と叫んだ。
「なんだよ。お前おれに一言も相談しなかったじゃねーか」
すこし小声で蓮は話しながらおれを恨みがましくみる。
「だってさ、蓮鈴ちゃんと仲悪いじゃん。ろくなアドバイスしてくんないと思って」
「ちぇ〜っ。つまんね〜。じゃあ鈴とのこと知ってるのおれだけ?酒井とかには話した?」
酒井とかはおれがいつも一緒にいるクラスの友達。
「話してないよ。でも戒にはすきだってことは話した」
そういうと蓮ははっとした顔をした。
「ああ。アイツね!そういや仲いいんだっけ?なんか意外だよな」
そういって蓮がわらった。
「よくいわれる」
そういっておれが笑うと蓮は「だってぱっとみいじめっこといじめられっこみたいだもん」といった。
なんか腹立つな〜〜〜。
少しムカついたから意地悪いってやった。
「でも蓮より全然乱暴じゃないよ」
そういうと蓮は「なんだと?俺は常に優しい」といって俺の頭を軽く叩いた。
それも乱暴だと思う。
「ってかさーうまくいったんだから隠さなくても良くね?」
当たり前でいて中々おれにとっては難しい質問を蓮はしてきた。
「普通はそうかもしんないけどさぁ相手は鈴ちゃんだよ?…つりあわない」
自分で言って落ち込んだ。
そうなんだよな〜。
相手は鈴ちゃん。
なんでおれと付き合ってくれたのかもわからない。
「なるほど!でもお前だってよく可愛いって女子とかにいわれてんじゃん」
フォローのつもりらしい。
「可愛いっていわれても嬉しくない…。かっこいいが良いよ」
そういって溜め息をつくおれをみて蓮は笑いながらいった。
「それは無理だ」