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MADLOVE  作者: ララ
12/14

スキってこと

「あ〜…どうしよう。もう鈴ちゃん帰ってるかな?」




学校への道を走りながらおれは戒にきいてみた。




不安で不安で仕方ない。




もう5時。




部活やってない子は大体帰っちゃってる。




まさか寝てて6時間目もサボっちゃうなんて!





「帰ったんじゃない?いいじゃんもう。ゲーセンでもいこーよ」





そういって戒はめんどくさそうにおれの後をついてくる。




…戒にきいたおれが馬鹿だった。





戒はよくわかんないけど、おれと鈴ちゃんのことを歓迎してはいないみたい。






鈴ちゃんが嫌らしい。





わっかんないな〜。





「走るの疲れた。ゆっくりいこうよ」





そう戒はいっておれを止めようとする。





仕方ないからおれは一回止まって戒にまずお礼をいった。






「戒、今日はありがとう。でも今すっごく急いでるから先行くね!」





そういって走り出したおれの後を戒はついてきた。






「わかったよ〜。俺もいく。外連れ出したの俺だし。モモの愛しの鈴ちゃんに一緒に謝ってあげる」





戒は鈴ちゃんのことを「モモの愛しの鈴ちゃん」っていう。




それはいやみなんだろうことは鈍いおれでも薄々感じてる。





だから「ありがとう」っていったときのおれの言い方は少しいやみっぽかったかもしれない。





言った後で心配になって戒をちらっとみると戒は「ほら、急ぐんだろ?よそみすんな」といって前をみてさらにスピードをあげた。



学校の門が見えるとラストスパート。




思いっきり走る走る走る。




目指すは教室。




鈴ちゃん待っててくれてるのかな?




きっと待っててくれてる…。




鈴ちゃんはそういう子だ。




昔おれがどんなに学校遅刻しそうになっても待っててくれた。




中学生になってからはさすがに一緒に行かなくなったけど。




急いで階段を駆け上って右に曲がる。





気持ちだけが先へ行く。




早く鈴ちゃんに会いたい。





ガラッ!!!!






思いっきり教室のドアをあけたものだからバンッって音が教室中に響いた。












中には誰もいなかった。







「…」





絶句した後大きなため息をついておれはその場にしゃがみこんだ。




汗だくだく。






「いないな」





戒がポツリと言った。




おれを哀れんでるような声で。





「うん…」





おれはそれしか言えなかった。






「ケータイに連絡きてないの?」




戒がそうおれにきいた。





携帯!!!





忘れてた!!





おれは返事すより先に慌てて携帯をみようと自分の席にかけっぱなしになってるかばんの中をあさった。





ストラップを引っ張って携帯をだす。




ぱかっと開いたら新着メールがあった。





それを見た途端おれの心臓は高鳴った。





鈴ちゃんから?







案の定鈴ちゃんから。




でもおれはそれを見た途端また脱力してしまった。






【今日私臨時委員会入っちゃって結構遅くまでかかりそうだから先に帰ってていいよ;ごめんね(>△<;)リクと一緒に帰りたかったよ〜〜;;】





メールにはそうかかれていた。







「ははっ…」




おれは自虐的な笑いを浮かべた。





「どーしたの?」




戒がのぞきこんでくる。





「これ」





そういっておれは携帯を戒に渡した。




戒はそれをまじまじと見た後苦笑した。





「モモ頑張ったのにね」





「うん…戒もね。ホントありがと」





そういって二人で笑い出すと止まらなくなって…しばらく笑いは止まらなかった。







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