強くなる
僕が訓練場でスキルの訓練を始めて二年だいぶ強くなってきたがクラスメイトの連中には、全く勝てない。強い人達はもう実践の任務に行っているようだ。僕も来週にはその強い人達と一緒に任務に行くことになっている。
任務当日、先生が直接僕を呼びにきた。
「鬼龍院君今日の任務は私が引き継ぐことになった。だから君は私と一緒に任務にこい。任務は近くの酒場に居座っている盗賊の討伐だ。今から出発する。用意をしてついてこい。」
用意をして集合場所に行ってみると。そこには先生と護衛そして津嶋と藤田もいた。
魔法特性を持つ津嶋は魔法具などを装備してきている。藤田は短剣を二本装備してきている。藤田は暗殺者というスキルを持っていたはずだ。僕の装備は魔法具に剣を一本だ。少しだが全ての特性に効果があるのはありがたい。
「よし全員揃ったな。盗賊は二店舗に分かれていると聞いている。そこで私の護衛と藤田と津嶋たちで南側の店舗にいけ、私と鬼龍院は北側の店舗に行く。」
僕は、今まで異世界の人間が一気に城下町に行くと騒ぎになるという理由で異空間で過ごしていたので異世界を目にできるのがとても楽しみである。
「じゃあまた後で会おうな鬼龍院。」
「気をつけてね。」
と二人が見送ってくれたので手を振ると先生の後を追った。
外に出てみるととても大きな城壁の前だった。森は変わった生き物がいるだけで日本の森とほとんど変わらなかった。門をくぐるとすぐそこに酒場があった。酒場の地下に案内されると何もなかったので戻ろうとしたらドアに鍵がかかっていた。
「残念だったな。すまないがお前の人生はここでゲームオーバーだ。」
先生がロングソードを抜いていた。先生は不気味な笑みを浮かべていた。
「先生どういうことですか。」
「フフフ、|残念ながら私はあなたの先生ではありませんよ。私はこの体を操っているだけです。まあ、あなたは今から同じところに行くことになりますがね。」
ようやく気づいた。最初この世界に来た時に感じた先生への違和感はこれだったのか。僕は剣を抜いた。
「もしかして戦う気ですか。大人しくしていれば苦しませず殺してあげますよ。」
「何で僕を殺すんだ。」
僕は訓練中に習得したバフを自分にかけていった。
「私はね、人の思考を読み取ることができるんですけどね。あなたが私に違和感を人一倍警戒していたのでね。あと、君みたいな凡人を殺したところであなたのクラスメイトがいなくなったところで何も気にしないでしょうから。さっさと殺そうかと。」
思考を読み解けるなら僕の攻撃しようとしても無意味だろうな。だけど大人しく殺されるなんて絶対に嫌だ。やれるだけやってやる。
「ほら大人しくする気がないなら、さっさとかかってきなさい。」
「ああそうさてもらう。」
攻撃力・防御力上昇 思考能力・移動速度加速 魔力上昇 を自身にかけ僕は先生モドキに突っ込んで行った。
「刀突刺くらえ」
「弱い、弱すぎる。さっさと死ね。灼殺剣」
気づいた時には体が燃えていた。体に力が入らずその場に倒れる。
「これで終わりだ火砕龍」
その場が吹き飛び、体が遠くまで飛ばされた。そこで意識は途絶えた。
目が覚めると全身が痛く筋肉が剥き出しになり、片目・片足がなくなっていた。
「あんな攻撃を受けてまだ生きているなんて幸運だ。魔法で体を治してみるか。」
幸いなことにあいつの攻撃をくらったことでレベルが上がり回復魔法で目と足以外は治すことができた。治したことによって回復魔法のレベルがあがった。これでとりあえずすぐに死ぬということは無くなった。ここはどこなんだろう。洞窟のように見えるが魔物の気配は感じないので、自然発生した異空間みたいなものだろう。多分そう思う。
「鍛治師のスキルで義足でもつくってみるか。」
実際簡単な武器しか作れないのでレベルを上げるためにそこら辺にある岩石で武器を作りまくろう。5500本ほど楽しくてつくっていたらスキルのレベルが99に達していた。確か最高レベルが99だった。異空間では時間が流れていないので時間感覚を忘れてずっとつくっていた。
だいたい一年経ったのかな。武器を作るだけで一年も経ってしまうとは恐ろしい。
「よく考えてみると、最近一回も食事していないな。」
時間が流れていないおかげなのだろうか。
「とりあえず腕を作るか」
武器をつくっている合間にもつくってはいたがこの前魔鉱石が見つかったのでそれで作ることにした。
「やっぱり先生みたいに強いやつに負けない為には同等かそれ以上の強さにならないと。」
なので僕は魔鉱石で人造人間を作り、人工知能を取り付けた。これで練習すれば強くなれるはずだ。そこからまた一年やっと剣術・魔法のレベルが99になった。
「これで元の世界に帰っても問題ないだろう。」