表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/4

04 女の子の気持ちわかってないんですよね。

「ところで、ここはどこなんだよ。気づけば、白い壁に囲まれてる場所にいるし、何処にも出入り口がないじゃないか。」


「これはあれか。◯ックスしないと出られませんの部屋なのか!? そして、そこに女神様が現れた……もしかして、そういうことですか!!!?」


「はぁ……ほんと最低ですね。」


「実は言い忘れてましたが……

あなた、もう死んでるんですよ。」


「はっ……!? 俺が死んだ?」


「いやいやいやいや……ん……確かに……」

俺は女の子に振られた。そこまでは覚えている。

だけど——その後の記憶がない。


「まさか、失恋のショックで……自殺!? ……それで、死んだのか!?」


「あー、多分、違います。」


腰まで届く金とピンクのグラデーションの髪を揺らしながら、どこか気怠そうな表情をしていた。



「生死を司る神様ってね、小さい虫とか動物とか、生ませるときにデータを一括インポートするんですよ。」


「いちいち手動で『ポチッ』ってやってたらキリがないじゃないですか。」


「イナゴの大群とかは、そのインポートミスの結果だったりするんですけど。」


「たまに、大量に現れるイナゴとかの生物って女神様のミスだったの!?」


「そうですよー。でね、殺すときもちゃんと選定はするんですが……一応、ノルマってのがあるんです。」


「なので、虫なんて、魅力値が少ない生物ですし。

まぁ、消しても誰も悲しまない。とりあえず、魅力値低いやつは、大量に削除しとこっかー♪ ってなるわけです。」


「おい、待て待て待て待て!!!」


「私もよくやるんですよねぇ。」


「たとえば、女神の信仰度、10以下は、一括削除!そんな個別の事情なんて、いちいち調べてられませんし。」


「多分、あなたもその流れで、魅力値てフィルタリングされて——ズバッと、デリート☆」


「デリート☆じゃねぇよ!!!」


「削除完了!残業なし!今日は飲むぞー!って、感じですね! わかります、その気持ち!」


「わかるかあああああああ!!!!」


「おい、俺はそんな理由で女神に消されたってことか!?!?」


「うん、そうですね。」


「神がそんなことしていいのかよ! それで、一人の人間を消してるんだぞ!?!?」


「まぁ、いいんですよ。」

「ちょっと失敗したら、口封じに異世界転生させるんで。」


「口封じ!?!?!?!?」


「他の世界の女神様と人数合わせで、交換したりしますし。そこは、お互い様です。」


「でもね、みんな異世界転生できるなら喜んでますからね!」


「神様!失敗で殺してくれてありがとう!『チート能力がもらえて異世界転生できるー!』って、ほんと意気揚々ですよ。」


「おおお、それなら俺も転生させてくれ!!」


「……あのですね、魅力0の人を転生させたくなる女神様っています?」


「……は?」


「だって、転生先の世界が可哀想じゃないですか。」


「例えばですよ。 他の世界の女神に『この人、転生させてくれませんか?』ってお願いするじゃないですか。」


「で、中身を見てみたら——」


「魅力が0。リサイクルできないゴミも同然。」


「そんなの送ったら、相手からしたら、嫌がらせかな? 嫌われてるのかな? ってなりますよね?」


「さらに、『この人にチート与えていい生活させてください!』って頼んだら、相手からしたら、めちゃくちゃ悪い気分になりません?」


「……」



「やっぱり、魅力があるからこそ、転生させて活躍させたいな♪ってなるわけです。」


「……」


「それがですよ……」


「男って、すぐ簡単に転生させろって言うんですよね。」


「でも、それがどれだけ大変なことかわかってない。」


「今日は、転生はちょっと……とか。気分が乗らないなぁとか、生理だからきついとか、転生処理をやりたくないって日がたくさんあるんです。」


「なのに、転生転生転生って。」


「ほんと、あなたみたいなモテナイ男って、そういう女の子の繊細な気持ちがわかってないんですよね。」


「俺、異世界転生すらできないレベルで終わってるのかよ!!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ