02 ぜろっ……なんですー♪
「ふっ、ふざけんな!!」
突然現れて、何なんだ、この女は。
「まだ出会っても間もないのに……俺の事を知ったかのように……俺の事を知ってもらえば、そんなことないだろ……そんなこと勝手に、決めつけるなよっ!」
「いえいえ、私は運命の女神なんです。要するに、男女を結びつける能力があるわけなんですよ。」
「それで今回は、あなたの担当をさせられたんですけど……正直、困ってますね。」
「星の数ほどいる女の子の中から、あなたに興味がある人を探したんですが――ほんっっっとうに、一人もいないんです。」
「運命!巡り合わせ!神のお導き♪女神パワー★
恋の引き寄せ!恋愛成就のおまじない♪
いろいろ、試してみたんですよ。でも、全部無駄。」
「一応、あなたの周りに女の子っていたでしょう。それ、全部、私のおかげなんですよ。本当なら、あなたと話す人すらいなかったんです。」
「実際、そこまで嫌悪感を持たれるような容姿でも雰囲気でもないんですが……どういうわけか……生理的にダメみたいです。」
「かくいう、私も、さっきからちょっと……正直にいいますと、気持ち悪いなぁー、って思ってます。」
「いや、ひどいこと言うって思うでしょう?
でも、実際に本当にそう感じるんです……こんなの言わずに我慢しろだなんて、きつすぎます。」
「なっ、なんなんだよ……好き勝手言いやがって。」
そんな事実を俺にぶちまけるなんて、酷すぎる。
「考えれば考えるほど……酷すぎる……これで恋愛成就できなければ、私の査定に響く………ボーナスも下がるし、減給待った無しです………」
……涙を流す女神様。
いや、ちょっと待て。
何でこいつが悲劇のヒロインみたいになってるんだよ。
俺のほうが絶望的なひどい状況だろ。
……いや、まあ、確かに、口は悪い女神だ。
相当、ひどいことを言ってる………
でも、顔は可愛い……絶世の美女。
それに、スタイルもえちえち。
つまり、許せる。許してしまう美貌。
むしろ、ご褒美……
そんな俺の思考を見透かしたように、女神が言った。
「とりあえず、ステータスを確認しましょう。」
「まずは測定し、結果を分析。原因を追究し、対策を取り、結果を見る。いわゆるPDCAです。私、できる女神なんですから!」
そう言うと、彼女は異空間から奇妙な機械を取り出した。
「これがステータス測定装置です。この画面にあなたのステータスが表示されます。まずは、一番高いステータスを測定しましょう。」
「……えーっと、ステータス! おんです!」
……とぅるるるるるるるるる……
「おっ、数値がどんどん上がってるぞ!」
いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん……
ひゃくまん、せんまん……♪
どこか機械失な可愛い女の子の声で数字の桁を上げていく。
てってれー♪
カリスマ性:99999999
「え? カリスマ性がカンスト?」
「俺って、そんなにカリスマあるのか?」
「人を引きつける能力はぶっちぎりですね……でも、こんな数値、初めて見ました。」
「おお、 確かに、自分でも妙に注目されるなぁとか。主人公っぽいなぁとか。思ってたんだよなぁ。」
「うーん……でも、こんなにカリスマ性があるのに、全く女の子からモテないのはなぜなんでしょう? 」
確かに、そんなにカリスマがあるのになんでこうなるんだ。
カリスマ美容師とか、モテまくりだろ。
「次は、あなたの一番低いステータスを測定しましょうか。」
……とぅるるるるるるるるる……
いち、じゅう、ひゃく、せん、まん
「おっ、今度も上昇してるぞ!」
まん、せん、ひゃく、じゅう…
さんっ……にー……いちっ……ぜろっ……
ぜろ……ぜろっーー♪
うっ……とくんとくん……
そのゼロという言葉を聞いた瞬間、なぜか心臓の鼓動が飛び跳ね、ゼロと言われるたびに、体が反応する。
そして……可愛い女の声が煽ってくる。
「あはは、おにぃちゃんってば、ドクドクして、なさけなーい。魅力の値ががぁ、ほんとに……
ぜろっ……なんですー♪」
魅力: 0
「どうあがいても、0でーす。これでは美少女に慰められることもありませーん。なんにもはじめれませーん。」
「うっ………ちっ、ちくしょう……何が魅力が0だ……
バカにしやがって……」
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つまんないなぁって人は、ほんと無理にとは言いませんので、わがままも言いません。だから我慢して、評価をお願いします。
そして、気に入った方は、他作品もよろしくです。
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一度、ミスリード、叙述トリック好きてす。