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60、ランベール王国③

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「うん、美味しい!」


「ソースも濃厚ですね」


「焼き加減もなかなかだな」


お肉にかかっている濃厚なソースがバターの風味とあっている。


私はモリモリと食べ進めた…が。


「うう、もう無理」


私のナイフとフォークを握る手は完全に止まっていた。


ソースが濃厚すぎて、途中からくどさが目立ち始め、半分までくると辛い。


あんなにお腹が空いていたのに。


「ソフィアもう食わねーの?おれが食おうか?」


アヴァリスの申し出に、私はお皿を押し出した。


「うん、お願い」


女性にはキツイ。


「私は食べられますが、少し女性には量も多くて味付けも濃いのかもしれませんね」


ポテトフライもつらい。


ああ、コーラルの野菜のサラダが食べたい。


ウェイトレスの女性に水のおかわりを頼む。


「ああ、お客さん外国の人?ランベールは男性向けに味付けが濃いからね。他国の人や女性にはキツイかも」


ウェイトレスのお姉さんは、水を注いでくれながらそう言った。


「そうなんですか?」


「うん、ランベールは男性優位の国だからね。女性の仕事も少ないし」


男女問わずの仕事が多い、我がサランとは違うんだな。


「それと、お客さん美人だから気をつけてね…。うちはまだマシな方だと思うけど、お客さんほどの美人なら何があるかわからないから。しっかり鍵はかけてね」


あっ、フードかぶるの忘れてた。


治安、やっぱり悪いのか。


「ありがとうございます。気をつけます」


ガブリエルとアヴァリスは食事をしながら黙って耳を傾けてる。


食事を終えて、それぞれの部屋の前までやってくると、私はさっさと部屋に入ろうとした。


「それじゃあ、おやすみ」


「お待ちください、ソフィア様。念の為ドアに防御魔法と部屋に結界も張っておきますね。もし何か部屋を出るようなご予定がありましたら、その前に私をお呼びください」


心配性だな。


隣に2人もいるのだし問題ないだろう。


「ん、わかった。じゃあおやすみ」


「ごゆっくりおやすみなさいませ、ソフィア様」


「おやすみソフィア、また明日な」


今日は宿の部屋でゆっくり寝られるぞ。


移動中の野営も別にベッドで寝られるわけなのだが、やっぱりテントでは少し落ち着かない。


次の日…。


私はスッキリした気持ちで目覚めた。


「は〜ぁ、よく寝た」


自宅には敵わないが、なかなか悪くないベッドだった。


朝の支度をして部屋からガブリエルを呼ぶ。


「ガブリエル。起きてる?私もう朝食に出れるよ」


「はい、ソフィア様。我々も準備できております」


ガチャリと部屋のドアを内側に開けると、ドアの前には10人ほどの男が倒れている。


「何この人達」


ガブリエルとアヴァリスがそれぞれ部屋から出てきた。


「おはようございます。ソフィア様」


「おはよー、腹減ったわ。朝メシ何かな」


2人とも廊下にゴロゴロ転がっている男達はスルーか?


「待って。この人達なんなの?」


「ソフィア様の部屋のドアにかけた防御魔法に引っかかった者達ですね。自業自得です」


「こんなちゃちい魔法に引っかかるとかマジ間抜け」


2人とも容赦ないが、私を狙ってきたと思うと同情の余地はない。


うん、放っておこう。


「そうだね。それじゃあご飯に行こう。朝ご飯はあんまり重くないといいな」


と、いそいそと朝食に向かったのだった。






読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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