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4、腕を振るいます

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

私はロイド商会に帰ると、早速父に店長候補者が見つかったと報告した。


そしてまだ他の店で新人として働いていることも。


「そんな事は問題じゃないさ。ソフィアがいいと思った人なんだろう?」


相変わらず私の人選に対する信頼が強い。


「明日迎えにいって、ウチで私の料理を食べてもらおうと思うの」


「それはいい。ぜひ私も同席しよう」


父はかなり忙しいはずなのに大丈夫かな?


「なに、人と会う約束をしてたが断れば済む話さ」


今ではこの国トップと言っても過言ではない商会の会長である父と会う約束を取り付けるのは至難の業だったに違いない。


約束をキャンセルする事になる人、申し訳ない。


父はかなり忙しいのにも関わらず、キチンと家族との時間もとってくれる。


ジェイコブにもかなり負担をかけているに違いない。


「ソフィアさま、もちろん私も同席します。何を出されるのですか?プリンですか?」


すっかりプリンの虜になっているガブリエルば目をキラキラさせて聞いてきた。


「そうだね。プリンもデザートに出そうかな」


これでプリンを作らなかったらガブリエルは悲しみの涙を流すだろう。


「わあ、楽しみですね」


すっかり人材より、プリンだ。


次の日、私とガブリエルは馬車でレミーさんを約束の時間と場所で待っていた。


「お待たせしてすいません」


裏口からレミーさんが現れた。


「全然待ってないですよ。お店の方は大丈夫ですか?」


私が訊ねると、レミーさんは遠い目をした。


「はは。明日からもう来なくていいと言われてしまいました。またクビです」


「それは大変でしたね…。でも私達にとっては朗報です。ウチで働いてくださる確率が上がったのですから」


こんないい人材滅多にないのに勿体無い。


「まあ、とにかく乗ってください」


私はレミーさんに馬車に乗ってもらい、自宅に案内した。


「わあ、さすがロイド商会の会長宅。ご立派ですねえ」


「ありがとうございます。どうぞ、こちらが食堂です」


食堂の扉を開くと父と母がそこにいた。


「初めまして、レミー君だね。私はソフィアの父のクリストファーだ」


「母のマリナです。ゆっくりしていってくださいね」


レミーさんは父と母の登場に緊張してしまったようだ。


「は、は、初めまして。レミーと申します。ほ、本日はお招きありがとうございます」


「もう、お父さんもお母さんもレミーさんを怖がらせないでよ。レミーさん、今夕食を準備するので座って待っててくださいね」


私はレミーさんを座らせると、ガブリエルと厨房に向かった。


厨房にはニーナさんがスタンバイしてくれていた。


本日のメニューはコーンスープにサラダ、オムライス、そしてデザートのプリンだ。


まずフライパンにバターを引いてオムライス用に切っておいた鶏肉と野菜を炒める。


と同時進行でガブリエルとニーナさんに指示を出す。


「ガブリエル!卵といて、牛乳と塩胡椒で味付けお願い。ニーナさんはサラダの盛り付けをお願いします」


炒めた鶏肉と野菜にご飯を入れて塩コショウ、ここでロイド商会自慢のケチャップを入れる。


コーラルの完熟トマトを使った最高のトマトケチャップだ。


できたチキンライスを型に入れて、お皿に盛り付ける。


ちなみにこの型はもちろんイーツ君お手製だ。


「オムレツ作るよ」


別のフライパンを熱したガブリエルに下準備してもらっていた卵液を流し込む。


ジユーツと周りが固まってきたら箸で軽くかき混ぜて、フライパンの奥に寄せて形を整える。


トントントン。


フライパンを持った左手を右手でも軽く叩くとキレイなオムレツが出来上がった。


これ習得するまで結構練習したんだよな。


オムレツをチキンライスの上に乗せて出来上がりだ、


同じ要領で父と母の分も作る。


「さあできたよ」


あとはゲストの前で仕上げよう。


2台のワゴンにサラダ、スープオムライスを乗せて、私とガブリエルで食堂まで運んでいく。


ニーナさんと3人で手分けして父と母とレミーさんの前にそれぞれセッティングした。


「わあ、この料理は何ですか?初めて見ました」


レミーさんは興味深々な様子。


「オムライスと言います。これから最後の仕上げをしますね」


私はレミーさん、ガブリエルが父、ニーナさんが母のそれぞれのオムレツに縦にナイフを軽く入れる。


と、ぷるんと卵が割れて半熟の卵がチキンライスの上を綺麗に覆った。


「な、何ですか!これは!魔法ですか?」


レミーさんはさっきから驚きの連続だ。


「魔法じゃないですよ。練習すればレミーさんもできるはずです。さあ、最後にケチャップをかけますね」


私達はそれぞれのオムライスにケチャップをかけた。


「これが最近噂なロイド商会のケチャップ…。艶やかな赤色が黄色の上に映えるな」


「さあ、冷めないうちに召し上がれ」


私がそう言うと、レミーさんはかすかに震える手でスプーンをとって、オムライスを一口すくった。











読んでいただきましてありがとうございました。

オムライスの作り方は色々あると思いますが、とりあえず作りやすい材料でと言う事でご容赦ください。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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