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17、イーツ君の発明品

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

次の日の昼過ぎ、さっそくイーツ君の新しい魔道具が店にやってきた。


「ガブリエルさん、こっちに運んでください」


ガブリエルが運んでいるそれは、結構な大きさがある。


「イーツ君!どう?どんな感じ?」


私はワクワクしながらイーツ君に駆け寄った。


「まだ起動させてみないとなんとも言えませんね。理論上では完璧なんですが。あ、ガブリエルさん、ここです。ここに置いてください」


イーツ君の指示に、ガシャリとその魔道具を台に置いてガブリエルは言った。


「大きなものですねえ、上手く動くといいんですが」


そこにレミーさんや他のスタッフのみんなが集まってきた。


「なんだこれ?こんなの初めてみたぞ」


ランドがびっくりして声を上げた。


そう、お察しの方もいるかと思うが、これは食器洗浄機だ。


「これは自動で食器を洗う魔道具だよ。イーツ君に頼んで作ってもらってたんだ」


「自動で食器を洗うとはどう言うことです?」


レミーさんは不思議そうに聞いた。


「まあ、実際見てもらったほうが早いかな。イーツ君、稼働できそう?」


「ん、ちょっと待って…。はい、取り付け完了」


「ではイーツ君、使い方の説明をお願いします」


「え?僕が?まあいいか。この魔道具は、このボタンを押すと上のカバーが開きます」


イーツ君がボタンを押すと食洗機のカバーがカパリと上に開いた。


「そしてここにちょうどたまたまあった汚れたお皿、フォーク、コップなどを入れます。ちょっと、なんでみんなでランチする前に呼んでくれないの。僕も食べたかったよ」


イーツ君はわざと洗わないで置いていた食後のお皿やコップを食洗機に入れた。


「そして、ここに食器洗い用の洗剤を入れます」


普段食器を洗うのに使っている洗剤を洗剤投入口に入れた。


「それから蓋を閉めて、このボタンを押します」


ウィーンと稼働音がしてバシャンバシャンと水音が聞こえ始めた。


「いい感じだね」


「うん、後は仕上がりだね」


顔を見合わせて喜ぶ私とイーツ君。


「それから?」


ランド君が聞いた。


「それだけですよ」


ランド君の答えにスタッフみんなが驚いた。


「「えーっ!!」」


「それだけで汚れたお皿が洗えるの!」


「洗えるだけじゃなくて乾燥までできますよ。これは水の魔石で一度に沢山の水を発生させ、その水を火の魔石でお湯に変えて、さらに風の魔石によって…って聞いてます?」


「すご〜い!この窓から中が見えるよ」


「本当だ!お皿が洗われてますね」


「こりゃすげーな!」


はしゃぐスタッフ達。


「結構苦労したんだけど…。まあ喜んでくれてるからいいか」


私は皆と食洗機の窓から中を見ていたが、イーツ君の元に歩いていった。


「最高だよ、イーツ君!予想通り。いや予想以上の出来だよ」


「そ、そう?僕もそう思うけど…」


「これで皿洗いの人員カットできる。やった!」


「…」


イーツ君が遠い目をしていたことに私は気が付かなかった。


ガブリエルが優しい目でイーツ君の肩を叩き、そっと今日のスタッフの賄いカレーを差し出した。






読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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