表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/67

プロローグ

 愛理(あいり)は濃い霧の中にいた。

 霧の中には他にもう一人誰かいるようだ。

 シルエットだけが浮かび上がっていて表情は見えない。

 髪が長いので、女性だろうということは分かった。

 

 ――そこにいるのは誰?

 

 愛理はそう尋ねたかったが、声が出なかった。

 その場から動くこともできない。

 ただ女性のシルエットと向き合うだけだった。

 女性の方は少しずつ近づいてくるようで、シルエットは大きく濃くなっていく。

 霧の中からにゅっとやけに白い腕が伸びてきて、愛理の腕を掴もうとした。

 

 ――ひっ。

 

 愛理は恐怖のあまり身を引きたかったが、動くことはできない。

 女性と目が合った。緑の瞳だった。

 そして、ウェーブのかかった長い金髪。

 白い手は愛理を掴むことなく空を掻いた。

 

 「今度こそ、お願い……」

 

 金髪の女性がそう言った。

 哀願するような緑の瞳が印象的だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ