大王宮と光男のハレム
大王宮の近くの駐車場に飛行装置を駐めて、俺達は大王宮の正面入口に来た。
でかいな。なんてデカさの王宮だ。だから大王宮か。
大王宮に入って歩いて行くと大王の間で、もじもじと落ち着かないジーラ姫が最初に目に留まった。
カンナさんから、説明を受けていたゴルダバ大王、王妃マルガレーテがジーラ姫の近くで玉座に座っていた。
俺はゴルダバ大王を見て怖くて震えが止まらなかった。なんだこいつは?デカ過ぎる。岩でできてるのか?
カンナさんが俺の手を強く握ってくれるが、俺はもうここから逃げるかどうか迷っているところだった。
だが、大王の隣を見ると、普通サイズの人間が居る。マルガレーテ王妃だ。にこやかに俺を見ている。
俺達が玉座の前まで行くと、ゴルダバ大王が顔を近づけてくる。
「それでカンナよ。光男とかいう姫の婚約者はどこに居るのだ?」
「ゴルダバ大王様。私の隣にいる、この御方こそ天才軍師の光男様です」
「なに?このチ〇カス野郎がそうなのか?」
ゴルダバ大王はジーラ姫の方を見る。
「冗談なんだろ姫?」
ジーラ姫は顔を赤くしてもじもじしている。どうやら本当のようだ。
俺が言うのもなんだが一体どんな美的感覚してるんだこいつは?
「許さん。こんなチ〇カスのような人間が、可愛いジーラ姫と結婚など私は絶対許さんぞ。身の程を知るがいいチ〇カス人間」
ムカッときた俺は、大王宮を出て行こうとする。
「お父様。結婚を認めて下さらないのなら私も光男様と一緒にこの国を出て行きます」
もういい加減、俺を解放してくれよクソ女。
急に狼狽えだすゴルダバ大王。
「姫よ。お前がいなくなったらこの国はどうなる?お前が好き勝手やったせいで、ウンガブンガは各国から恨みをかっておる。怒涛の羊の如く兵士が押し寄せ私は殺されてしまうだろう」
「それなら結婚を認めて下さいお父様」
ゴルダバ大王は俺を暫く睨んでいたが
「いいだろう。やむを得まい」
ゴルダバ大王は不機嫌な顔をして床を揺らしながら部屋を出て行った。
ジーラ姫はぴょんぴょんジャンプする。
「カンナちゃんやったわ」
「おめでとうございます姫」
それを見て、俺はがっくりと肩を落とした。
その時扉が開き、ピンクのビキニアーマーを着たお姉さんが入って来た。
「姫大変です。メルガバの艦隊が我々の宙域に侵入してきました」
「奴等もしつこいわね。またこん棒でぶん殴ってやるわ」
「ランドセル型推進装置のピンク塗装も終わったようです姫」
「必要な物は全部ロケットの中に詰め込んでちょうだいねカスミ」
「はい姫様」
ジーラ姫は俺の方をちらりと見て、指をさし
「こちらが私の婚約者の光男様。式は私が宇宙から戻ってきた時に挙げるのよ」
「それはおめでとうごさいます姫様」
あれ?俺からプロポーズするという話はもうどうでもよくなったのか?
そして俺の近くに来たピンクビキニアーマーのお姉さんは、にっこり微笑み、手を出して
「私はピンクビキニアーマー隊のカスミと申します。宜しくお願いします光男様」
俺はカスミさんに見とれながら握手する。実に柔らかい手だ。
「お前。光男様に手を出したら殺すからね」
カスミさんの眼が一瞬大きく見開いた。
「はい。姫様」
カスミさんは俺から2,3歩後ろに下がる。
そしてカスミさんは笑顔で俺に
「光男様。宇宙に出発される姫様に何か仰りたいことは無いのですか?」
俺は何故かカスミさんに良い所を見せたいと思い、孔雀の扇子を広げた手を勢いよく前に出した。
「和を以て貴しとなす」
思いついた事を言ってみた。
ジーラ姫とカスミさんは何も言わずに大王の間を出て行った。
俺は恥ずかしさで下を向き、涙を浮かべたまま暫く動けなかった。
俺の肩がポンポンと叩かれる。
「ああ。カンナさん?」
「光男さんの部屋を案内しますね。来てください」
廊下を歩き、大王宮入り口に近い大きな扉を開く。
随分広いスペースだな。ジムとか道場とかそんな感じだ。
「ここが光男さんのハレムです」
俺は驚いている。ホントなのか?ほんとうだったのかあの話は?
俺はカンナさんを見て「ほんとに俺のハレムなんですか?」
「はい。ここにピンクビキニアーマー隊の5人が来て、光男さんのお世話をします」
俺は希望に満ち満ちていくのを感じている。下半身にも希望が満ち溢れ、俺の孔明服にテントが張ってゆく。