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光男自宅に帰るそしてカンナ

俺達は満ち足りた顔をして大王宮に向かって歩いて行く。


そこに手を振って誰かが走ってくる。


「おーい光男」


「誰ですか?」


「俺だよ。ランツだよ。なんか普通の人間になったんだ」


顔がマネキンのようだったランツは普通の人間の顔になっていた。


「なんか色々とお前に嫌がらせをして悪かったな。今は身も心も軽やかなんだ。あそこにいる裸の女子をナンパしてくる」


ランツはスキップしてどこかに行ってしまった。


「王族に掛かっていた魔法が解けたようだな」とモリセイさんが言った。


「全然魔法を信じてなかったじゃないですかモリセイさん。俺を変人扱いして」


「すまなかった光男くん。私が間違っていたんだ」俺に頭を下げる。


「もういいですよ」


カンナさんが俺の横に来て


「それにしても、いつDTを卒業したんですか光男さん?」


「ああ、そういえば俺は試合中にそんな事を言ってましたね」


魔女に騙され掃除のおばさんで卒業したことを正直に話した。


「ええーっ?」


カンナさんは両手で口を覆っていた。


俺達は大王宮に入り、大王の間に行った。


玉座にはジーラ姫とゴルダバ大王と思われる人達が座っていた。


ゴルダバ大王が「おお光男くん。よくやってくれたね。あの魔女が来てから何か悪い夢を見ているようだったよ」


そしてジーラ姫が「光男さん。ご迷惑をお掛けしました。あの魔女の呪いせいで私はしょうがなかったんです」


それだけ言うとゴルダバ大王の方を見てジーラ姫は楽しそうに雑談し始めた。


悪いのは魔女の魔法で私は全然関係ないという感じだな。


本物のジーラ姫は俺には全然興味が無さそうだ。


俺にとっては、本物のジーラ姫よりあの化け物のジーラ姫の方がよっぽど可愛いかったな。


俺に会った時から俺に一途で、ずっと俺を追いかけて来た。


俺の前だと照れて下を向いていた。


俺の一物を見た時は両手で顔を隠して恥ずかしがっていた。


ダンジョンでは俺を助けに来てくれた。


入れてくれた紅茶は美味しかったし、ピンク色の部屋はたくさんのぬいぐるみで可愛くしていた。


その時本物のジーラ姫は


「お父様。私の部屋のぬいぐるみを全部捨てて下さい。あんな幼稚で酷い部屋には居られませんわ」


それを聞いた俺は急に悲しくなり、その場に泣き崩れた。


あんなにうざくて嫌いだったのに、あの醜い化け物が可哀想で涙が止まらなかった。


一体何のために生まれて来たんだ姫は?


魔女が利用する為だけに恋する乙女の感情を植え付けられ、俺を好きになった化け物。


もうあのジーラ姫はどこにもいないんだ。


「お父さん。なんで光男さんは泣いているんですか?あの姫はもういないのに?」


「それはわからん。でも光男くんはあの姫に何か思う所があるんだろう」


そしてゴルダバ大王はモリセイさんの方を向いて


「モリセイさんはビキニアーマー隊にずっと反対されてましたね。戦力にならないし無駄だと。私も同じ意見だ。ビキニアーマー隊はすぐに解散させる。いかがわしいハレムも禁止だ。私は魔女が居なくなったこの国をまともな国に立て直そうと思っている」



俺達は飛行装置に乗って研究所に向かった。


研究所に着くと聖なる液体でビシャビシャになった服をみんなで着替えた。


椅子に座りくつろぐ。


「このウンガブンガ国は姫の強さだけでもっていたのに、姫が居なくなったらこの先どうなるんでしょうね?」と俺が言った。


「恐らく一番技術が進んでいるアタマイ国に攻められて、王国は無くなるだろうな。姫のせいで各国から恨みを買っているだろうし。分割統治という事もありえる」


「メルガバが採掘している小惑星も姫が居ない事がわかると直ぐに奪われてしまうでしょうね」


「まあそんなもんだな。結局弱い国はやられるだけだ。私もアタマイ国に戻るとするよ」


「それでモリセイさん。俺は元の世界に帰れるんですか?」


「ああ、もちろんだ。我々の恩人だ光男くんは。必ず帰れるようにする」


「よかった」


「というか、そんなに難しい事じゃないんだよ。カンナが光男くんの部屋に居た時の事を思い出してくれ」


「突然カンナさんは俺の部屋に現れましたよね」


「座標をセットしてペン型の装置で、光男さんの世界に現れることができるんです」


「たしかカンナさんは、異世界は一人だけ行けるとか言ってましたよね」


「そうなんです。だから光男さんが一人だけで向こうに移動すればいいだけなんです」


「それじゃあ俺は、別に苦労しなくても、いつでも帰れたわけだ」


「騙して悪かったとは思うが、我々も必死だったものだからね」


「まあいいですよ。結果良ければってやつです」


「光男さんはここに来てからとても成長したと思いますよ」


「そうですね。絶倫の王が俺の中に居てくれたことが、とても助けになりました」


モリセイさんはディスプレイの電源を入れて


今もここで光男くんの部屋はモニタリングできるんだ。


リモコンのボタンを押すと俺の部屋が色んな角度で映る。


「なんか懐かしいな。俺が居た時から特に何も変わっていないみたいだ。姫のこん棒で粉々にされたディスプレイは元に戻ってる」


「光男くんの部屋は姫に破壊されて、血だらけになっていたので元に戻すのは苦労したんだよ。いつも姫の尻拭いを我々がしなくてはならなかったんだ」


カンナさんがモリセイさんの肩を揉む。


「終わったんです。私達はついに解放されたんですよ。お父さん」


「そうだな。カンナ」


それを見て俺も嬉しかった。


でも俺は元の世界では行方不明か、死んだ扱いになっているんだろうな。俺が急に現れたら親は驚くに違いない。


モリセイさんが俺の手にペンを握らせる。


「このペンのボタンをその装置の前で押すだけで帰る事が出来るんだ」


「わかりました。それじゃあ俺は帰ります。お世話になりました」


頭を下げて、俺は装置の前でペンのボタンを押す。


俺の視界は10秒ほどよくわからない世界になっていたが、景色が変わると俺の部屋に戻っていた。


ああ懐かしい。もう1年ぐらい居なかったように感じる。自分のベッドを見た俺は、飛びこみ、ベッドの上で手足を伸ばして顔をシーツにスリスリする。あー落ち着くなあ。この感じだ。すごくリラックスできる。俺はそのまま寝てしまった。


起きると両親の所に顔を見せに行った。驚いていたが、俺は書置きを残していたらしい。誰が書いたんだ?


「長い旅に出ます。そのうち帰ります」と書いてあった。


最後に俺の部屋に居たのは俺の頭をカチ割ったジーラ姫だったはずだ。


これはジーラ姫が書いたんだろうか?


俺はその紙を自分の部屋に持って行って、壁に貼り付けた。


そしてベッドに横になりその紙を見ていた。


向こうで姫との結婚生活が続いていたら、もうここには帰れないはずだったのに、どういうつもりでそのうち帰りますなんて姫は書いたんだろうか?まあ姫の事だから別に深くは考えて無いだろうが。


俺は次の日からまたニート生活になっていたが、外には出れるようになっていた。人混みもそんなに苦にはならなくなっていた。やはり向こうの世界で鍛えられたんだろう。


ゲームをしているとカンナさんが時々ゲーム世界に現れて近況報告をしてくれた。


やはりウンガブンガ国は攻め込まれたようだ。ゴルダバ大王とジーラ姫は処刑にはならなかったようだが行方不明らしい。


モリセイさんはアタマイ国に戻って研究の日々だ。


カンナさんはビキニアーマー隊が解散してしまったので、今は求職中みたいだ。


そちらに遊びに行きますねと意味深なメッセージを残してゲームの中から居なくなった。


どういうことなんだ?と俺が思っていると、俺の首の後ろから手がニュッと出てきて首に巻き付く。


「うわっ」


「来ちゃいました」と俺の耳元で囁く


カンナさんが俺の頬にスリスリして来る。


「光男さん髭をちゃんと剃ってますか?」


俺は振り向いてカンナさんを抱きしめる。元の世界に一人で戻って来て慣れてくると、向こうであった事が全て俺の妄想なのではないかとだんだん不安になってきていたからだ。抱きしめてカンナさんが実在するということを実感したかった。


「光男さんは頑張りました」俺の頭を撫でてくれるカンナさん。


俺は落ち着いて来て


「でも異世界は定員一人しか行けないのに、何でカンナさんはここに来ることが出来たんですか?」


「お父さんが頑張って同じ異世界に二人行ける様にしてくれたんです」


俺は嬉しくて涙ぐむ。


私は光男さんにちゃんとお礼が言いたくて


「本当にありがとうございました」


頭を下げるカンナさん。


「私は毎日光男さんの管理をして様子を窺っていたんで、光男さんが居なくなったらぽっかり穴が開いたようになってしまったんです」



この世界に戻って来てから俺の呼びかけに全く応えなかった絶倫の王が俺の頭の中で話しかけて来た。


「その娘は寂しいんだ。お前が慰めてやれ」


絶倫の王は俺に何かを期待して出てきたのかもしれない。


カンナさんをよく見ると私服を着ている事に気が付いた。


そうだった。ビキニアーマー隊は解散したからもう着る必要が無いんだ。


私服のカンナさんを見るのは初めてだったので俺はまじまじと見ていた。


やっぱりカンナさんは美人だ。俺は見とれている。


ネックレスをしているカンナさんの首を見て、俺はふとステータスに書いてあったことを思い出した。


そしてそれが本当なのか確かめようと思った。


俺はカンナさんの首筋を指でやさしくなぞった。


「あっ」と言ってカンナさんはビクッとなった。


それを見た俺は辛抱たまらなくなってカンナさんをベッドに押し倒す。



そしてカンナさんと俺がどうなったのかは皆様のご想像にお任せします。


おわり 

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