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光男の結婚式と風魔法

そして誰かの声が聞こえて、はっと目を覚ました。俺はベッドで寝ていたようだ。


顔を上げるとカンナさんが居た。


「ちょっと光男さん。なにやってるんですか?パンツくらい履いて下さいよ」


そうか。俺は超絶な手技で果てた後に疲れて寝てしまったんだ。あわててエレファントノーズブリーフを履く。


「カンナさん。またパンツが無くなりそうなんで追加注文お願いします」


「わかりました。それよりタチオさんの居場所がわかりましたよ」


「え?どこに居るんですか?」


「ランツ様の実家です」


「ええ?まだタチオくんはランツの奴隷なんですか?」


「いえ。今度は本当に雇われて使用人として働いているようです。給料も出るとか」


「そうか、それならよかった」


「ランツ様は皆に嫌われ友達もいないので、長い付き合いのタチオさんにそばを離れられるのが耐えられないということです」


「それは誰が言ってたんですか?」


「本人が私に吐露しました。誰にも言わないで欲しいと言っていたので、光男さんも誰にも言わないで下さい」


「はあ。わかりました」


「明日の結婚式にはランツ様も出席するので、タチオさんも一緒に来てくれるそうです。お色直しの部屋にタチオさんがやって来て、お祝いの言葉を言った後に姫に魔法をぶっ放してもらいます。これで姫はジエンドです」


言葉のチョイスにカンナさんの姫への憎しみが窺えるな。


「わかりました。タチオくんの魔法が姫に効くことを期待しましょう」



次の日。ついに俺と姫の結婚式の日が来てしまった。俺はタキシードを着せられ、ガチガチに緊張していた。


近くにカンナさんが来て「大丈夫です光男さん。姫と一緒に歩いていればいいんです。何も話すことはありません」


俺が式場の入り口に行くと、ジーラ姫は既にウェディングドレスを着て待機していた。ジーラ姫はとても嬉しそうだ。この日を楽しみにしていたんだろう。この純粋に結婚を待ち望んでいた姫を俺は殺そうとしているのだ。何故か分からないが嫌な気分になった。


そして扉が開く。


「うぐっ」


式場の中はとても広く、王族、要人、各色のビキニアーマー隊などがテーブル席に座っているようだった。


俺達は式場に入って一礼して歩いて行く。それから新郎席に座った後の事はよく覚えていない。


ゴルダバ大王が「大事な検査がある」と言った時、俺ははっとした。


「検査官入れ」


4人の神経質そうな検査官がフォーマルな格好をして入ってくる。


「光男がDTかどうか再度調べてくれ」


「はい。ゴルダバ大王様」


俺は起立させられ、4人の男は俺の股間に手をかざす。式場はシーンとしていた。


俺と眼があった検査官が何故か舌なめずりをした。


検査が終わったらしく、検査官はゴルダバ大王を見て指示を仰ぐ。


「よし検査官。そこのマイクで光男がDTか発表してくれ」


マイクの前に来た一人の検査官は大きく息を吸い


「光男様はDTです。間違いありません!」キィィーーン。


式場に響く大きな声で言った。



式場からパラパラ拍手が起こる。


そして大喝采になる。指笛も聞こえる。


「なんだこれ?」


俺は恥ずかしい気持ちで一杯だった。




そして俺と姫はお色直しの部屋に案内され、そこで待機していていた。


「殿方と別々の部屋じゃないと着替えるのが恥ずかしいわ」と姫が言っていた。


ドアがノックされ式場のスタッフが開くとタチオくんがいた。


「ああ。タチオくん久しぶり」


「光男くん。おめでとう」


姫はそれをじっと見ていた。


「こんな所に入って来るなんて無粋なBOYだわね。頭をカチ割られたいのかしら?」


こん棒をにぎる姫。


「あっ姫。タチオくんは僕の友達で、時間がないから軽い挨拶して帰るんだ。彼を許してください」


「わかりました。光男様の寛大な心に感謝するのねBOY」


こん棒を壁に立てかける姫。


「あっ、ありがとうございます姫」


真剣な顔で俺の眼を見るタチオ。


「光男くん。やってもいいのかい?」


俺はコクリと頷く。


タチオは部屋に入り、姫に向かって手を伸ばす。


十秒後に姫は、自分の肩を手のひらで思い切り叩いた。


バチーーン


俺の耳はキーンと鳴っていた。


「あら?蚊か何かがこの部屋にいるのかしら?」


駄目だ。失敗だ。魔法の威力が足りないのか?全然わからん。


俺は土下座して、タチオを見上げる。一体何が問題だった?


ステータス。




タチオ  レベル1



我慢強いだけが取り柄の男



備考



超能力が使える。3グラム程度の物体を動かすことが出来る。





なんだって?超能力?タチオくんの能力は魔法ではなく、超能力だった。


本人はそれが何なのか分かるはずもなく、適当に風の魔法と言っていただけだった。いや、でも別にそれはタチオくんが悪いわけではない。


俺はタチオの耳元で「失敗だ。でも、ありがとうタチオくん。よくやってくれた」


タチオは部屋から出て行った。


俺は絶望的な気分だった。

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