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タチオの魔法

「ここでぶっ放したら自分で掃除するんだぞ光男。臭いがなくなるまでお前が責任を持つんだ」


俺は腹を押さえながら「今ランツを貰うのにはどうすればいいんですかランツ様?」


「ここで糞をぶっ放したら100ランツやろう」


ランツは大笑いしている。タチオもたまらず吹き出した。


いててててて腹が痛い。しかしモリセイさんが俺の肛門括約筋をかなり強化してくれたおかげで俺は何とか耐えきれそうだった。


俺は脂汗を垂らしながら、腹痛の波を乗り切った。


ランツは糞を漏らさなかった俺を見て不機嫌になった。時計を見て「俺は昼食を食べに実家に戻る。今日は最高級の肉を食べる日だ。俺はもう飽き飽きしてるけどな」


そう言って自分の部屋に入り鍵を掛けた。


ニヤついていたタチオは真顔になる。

「すみません光男くん。僕もランツ様と一緒に笑わないとノリが悪いと言われてランツを没収されるんです。あなたを笑ったのは僕の本心ではありません」


ホントなのかそれは?俺はもうタチオがよくわからなくなってきていた。


「恐らくランツ様の部屋のどこかに外に出る扉があると思うんです。でも僕たちはランツ様の部屋に入る事が出来ない。入れたとしても6桁の暗証番号の扉を3つ開かなくてはならないんです」


「つまり今は無理だってことだ。それよりタチオくん。ランツが居ない間はトイレを使う事は出来るのか?」


「はい。奴が居ない間は比較的自由に出来ます。ランツ課金もありません。でもトイレにもトラップがあるので今から説明します」


トイレに二人で行きながら、俺はタチオを見ていた。今、彼はランツを奴と言ったよな。


トイレの中には「プラモを動かすな」という紙が壁に貼られている。


トイレットペーパーホルダーの上に人型ロボのプラモデルが置いてある。


「このプラモデルを動かさないでトイレットペーパーを巻こうとすると、プラモが床に落ちて必ず壊れるんです。それでランツを全て没収されます。しかし、このプラモを動かしてもランツを没収されるんです。プラモを触ったのが誰なのか地上に戻った時に指紋鑑定師に依頼してプラモの指紋を調べるんです」


そんなしょーもない事にわざわざ指紋鑑定師を使うのか?


「それでランツ没収を回避する方法はあるのかタチオくん?」


「エンベロープ手袋を装着して、プラモを一旦棚に置くんです。そしてトイレットペーパーを巻いて使った後にホルダーの上の元の場所にプラモを置くんです。奴はわざと不安定な感じでプラモを置いて落としやすくしているんで、元の位置に戻す時も細心の注意を払って下さい」


タチオが俺にエンベロープ手袋を何枚か渡す。


「これは2ランツくらいで100枚入りのエンべロープ手袋の箱が買えるので、光男くんもランツを稼いだら直ぐに買った方がいいです」


やっぱりタチオはいい奴なんだろうかと俺は思い始める。


俺は我慢していた腹の中の物をトイレで全部出してスッキリし、プラモも元の位置に戻してトイレを出た。奴さえいなければここの生活はまだましなのだが、奴の別荘だからなここは。


「タチオくん。奴はいつ帰ってくるんだろうか?」


「その日によって違いますが、機嫌が悪いときは直ぐに帰って来て僕たちに無茶振りして楽しみます。何か芸を見せろとか言いだします」


「芸?タチオくんはランツの前で何が出来るの?」


「僕には特技があって、ランツ様はそれを気に入ってくださっているので、かなりランツを稼げました」


「一体それはどんな特技なの?」


「ちょっと来てください」


俺達は寝室に入る。タチオは押し入れからA4くらいの紙を出して二つに折り曲げ。それを半分ぐらい開いて床に立たせる。


そこから二メートルくらい離れて「見ててください」と言った。


タチオが手を前に出し十秒くらいすると、紙が倒れた。


どうゆう原理なのか分からないが、なんかしょぼいなと俺が思っていると


「これが僕の特技なんです。風の魔法。ランツ様はあまりにも使えない駄目な能力だと言って爆笑してランツをくれるんです。この魔法のおかげで僕はランツ破産することなく乗り切って来たともいえます」


なるほどな。なんの特技も無い俺はすぐに廃人コースになるのかもしれない。早くここを脱出する方法を考えないと。


そうだ。廃人と言えば、動かなくなったタチオくんの先輩が寝室に居ると言っていたな。


俺は部屋を見回す。真実を確かめないと今夜は怖くて寝る事が出来ないかもしれない。


しかし誰もいないぞ。いや、違う。布で覆われた何かがある。何かの置き物だと思っていたのだが。


俺は置物の所に近づいて行く。そして恐る恐る布に手を伸ばしていく。


「その布を取ったら後悔するかもしれませんよ光男くん」とタチオが言った。


「ル、ルームメイトを確認しておかないと」俺は生唾を飲む。


心臓の鼓動が早くなるのを感じる。見たくは無いが、俺は気になってしょうがない。それならもう早い方がいい。


一気に布を取る。


「うわああああああ」俺は絶叫した。


つづく

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