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ランツの嫌がらせ


次の日の朝になったらしい。俺が起き上がるとタチオは


「光男くんおはよう。朝は顔踏みの儀式から始まるんだ。そこで10ランツ貰えるんだ」


「顔踏みの儀式?」


俺達は昨日ランツが居た豪華な部屋に行った。


ランツは自分の足元を指さし


「よし顔踏みの儀式だ。タチオよ来るのだ」


タチオがランツの前で土下座のようなポーズをして顔を上げる。ランツが靴でタチオの顔をぐりぐりと踏みつける。


「タチオよ。俺の靴を舐めるのだ」


「はいランツ様」


靴裏を舐めている。異常な世界だ。


「よし。光男と代われ。ここに来い光男よ」


こいつは帝王気取りか?しかし今は逆らわずに様子を見よう。


俺は言われるままにランツの前で土下座ポーズする。


「よし顔を上げろ光男」


俺は顔を上げる。するとまたステータス画面が出てきた。


「ああっ?どうしてこんな時に?」


「どうした光男?何を驚いている?」


「ステータス画面が」


「なんだそれは?」




ランツ  レベル6


顔も心も捻じ曲がってしまった男


備考




ランツのレベルは6だった。10と言っていたがこいつは4も鯖を読んでやがった。


しかし悲しいかな。レベルが6でも俺はこいつに全く歯が立たないのだ。


下に書いてある情報を見ようとするとステータス画面はまた消えてしまった。


俺のステータス画面はなぜかすぐに消えるんだが、どういうシステムなんだこれ?


俺の顔にランツが靴裏が。


「うわ」


「靴裏を舐めろ光男」


俺は舐める振りをする。


「舐めたか光男?」


「はい。ランツ様」


「そこにある俺の靴裏を録画していた小型カメラをディスプレイに接続してくれタチオ」


「はい。ランツ様」


タチオは床のカメラを外すと、大型ディスプレイにケーブルで繋いで再生する。


それを皆で鑑賞する。


ランツはレーザーポインターで靴裏と俺の舌の間隔が空いている事を指摘する。


「わかるか?舐める振りをしているな光男よ」


「あ、はい」


「じゃあ本当に舐めてくれ」


「はい」


まさか、まさか。こんなしょーもない日々が毎日続くのだろうか?俺は恐怖した。


そして嫌々ランツの靴の裏を舐める。


「よし。舐めたな。お前は嘘を付いたから5ランツだけだ」


コインのようなものを床に投げた。


「拾いに行け光男」


それはランツの顔が描かれた1ランツと書かれているコインだった。コインを五枚拾い、ランツの元に戻る。


「よし朝飯にしようか」


ランツは俺の近くにカップ麺を投げる。タチオにはパンの耳だった。


「光男。そのカップ麺は5ランツだ。今すぐ支払え」


俺は持っていたコインを全部渡す。


「あのランツ様?お湯はどこで入れればいいんでしょうか?」


「お湯は2ランツだ。お前はもうコインが無いからそのまま食え」


「ええっ?」俺は愕然とする。


それを見たランツは「しょうがないな。もう一度俺の靴裏を舐めたら、2ランツ恵んでやろう」


俺はまたランツの足元に行って靴裏を舐める。


「いいだろう。お湯は台所だ。タチオ案内してやれ」


「はい。ランツ様」


二人で台所に行き、タチオがIH調理器でやかんを沸してくれる。ここはオール電化のようだ。


「光男くん。これはまだ序の口です。頑張って」


「君はこんなのを毎日?すごいなタチオくん」


「僕はなんとかやって来れましたが、他の三人は廃人になってしまいました。二人は鉄格子の外に出されてモンスターの女になったようです。もしかしたらもう亡くなっているかも」


廃人になってもダンジョンから出してはもらえないのか?ここは人権も常識も何もないランツの世界だ。おそらく誰も助けには来ないのだろう。ランツは狂っている。


「それであと一人はどうなったの?」


「あれ?光男さん気が付きませんでしたか?寝室に居ましたよ。僕の先輩のカラオさんが」


「え?」


おれはゾッとした。寝室に俺たち以外の誰か居たか?


「カラオさんは明るくていい先輩だったのですが、ここを出る事はもう出来ないと気付き『お日様が見たいなあ』と言った次の日から置物の様に動かなくなってしまいました」


「でもトイレとか食事とかはどうしてるの?」


「さあ?」


まさかタチオくん。君ももうとっくにおかしくなっているではないか?


俺はじっとタチオを見る。


「やかんのお湯が沸きましたよ光男くん。カップ麺に入れましょう」


お湯をカップ麺の中に注いでくれる。


「そうだ。いいことを思いついた。熱湯をランツに注いで倒すというのはどうだろうかタチオくん?」


タチオは俺に顔を寄せて、人差し指を唇に当てて「シー」と言う。


そして小声で「ランツ様は時々隠れて会話を聞いている時があるから気を付けて光男くん」


「う、うん。気を付けるよ」


部屋に戻り、俺はカップ麺を食べようと容器から蓋を全て剥がす。


「あれ?箸が無い」


待ってましたという感じでランツが


「箸は1ランツだがお前はもうコインが無いから手で食え」


俺はすかさず「靴を舐めれば1ランツ貰えるんですか?」


「いやもうそれはいい。お前が熱々のカップ麺を手で食うところが見たい」


うーむ。やった事は無いがもうやるしかないのか。糞ランツめ。


俺がカップ麺に手をつけ「熱っ、あっつい」と言うとランツが喜んだ。


手が熱くて全然食べれないので、つゆが冷めるのを待っていると、ランツが割り箸を俺に投げた。


「箸で食っていいぞ。冷めたらもう楽しめないからな」


俺は箸を割ってやっと食べれるとカップ麺に突っ込むが、麺が全然つかめない。よく見たら麺がバラバラになっていた。


「俺が先に蓋を開けて中の麺をハンマーで粉々に砕いてからまた入れておいた。一回開けたのがバレない様に、のりを薄くつけて開封前と同じように紙蓋を綺麗に貼り付けるのが苦労したところだ。楽しめたか光男?」


「しょーもな」と俺は思わず言ってしまった。


「なんだ光男。何か言ったか?」


「いえ」


「麺を砕くのに苦労したんだから、それを一欠片ずつ箸で食べろよ光男。カップに口を付けて一気に食べる事は許さん」


本当にしょーもない。しょーもなさ過ぎる。俺はここにいたら多分直ぐに頭がおかしくなるだろう。


ふと、タチオを見ると哀れな者を見る感じで俺をニヤついて見ていた。


まさか?君はランツ側なのかタチオくん?


すると急に腹が痛くなってきた。


「いてて、腹が痛い。どうして?」


「そのカップ麺には超即効性の下剤を入れておいた。だがトイレ使用料は1ランツ、流すのは1ランツ、トイレットペーパーは1ランツだ。20センチ以上は使うなよ」


うぐぐ地獄だ。ここは地獄だ。



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