表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冤罪  作者: ニベア王子
54/65

(第49回)海外拡販その2

世界トップのカーメーカーに続き、2位も攻略できそうな感じで、売り上げ増えるのは良いけど、とんでもない不具合が見つかったりしないよね

 あれから一ヶ月が過ぎ、ドイツのカーメーカーからテスト合格=本採用の連絡があった。

一ヶ月テストをしただけのことはあり、一斉に全車種搭載とのこと。年間一千万台近い車を世界中に販売しているので、新たな問題が一気に噴出するかもしれず、来年はオチオチ休みも取れなそうである。

などという個人的な愚痴を事業部長にこぼしたら

「だったら24時間サポート体制を作ろうよ、ワールドワイドで」と来た。

休みを取るどころか365日24時間働けってか?また、会社を辞めたくなってきた。顔色を見て事業部長が

「何か勘違いしてない?あなた一人で24時間サポートなんてできっこないでしょ。全社から集めたエース級社員をチーム分けして、3交代で対応、しかも並木さんにも人出してもらえば4交代とかなら、今より楽かもよ。クレーム来ない日もあるだろうし」

露骨に安心してしまった。

「でも、その体制と運用方法を具体化するのはもちろん貴方だからね」そりゃそうだ。

「承知しました、三日以内に案を作って事業部長了解をいただき。それから一週間以内に社内外人員調整してサポート開始します。

「お、元気出てきたなあ。その日程でOK。僕への説明には品質保証部長も同席してもらうね。あと社外発注もあるから調達課長、経理部長も聞いてもらおう」

出席者の調整含めて自分が引き受け、事業部長室を退出した。

その足で営業部に向かい、営業課長に今の話を伝えると

「おお、そりゃ助かります。今回受注規模が大きく、おそらく、先日納品した国内カーメーカーも採用台数を大幅に増やすと思うので、営業部長から「サポート大丈夫か?」と言われてたところでした。なるべく大掛かりに充実したサポート体制を構築してもらえれば、その費用も顧客に交渉しますんで、物がモノだけに、ノーサポートはあり得ない=有償で行けると思ってます。」そっか、また売り上げ増えるんだ

茶飲み話も無駄にならないなあ、この人と話していると、

「じゃあさあ、今度体制案説明会に営業課長も出席してくださいよ。有償=品櫃保証部も売り上げれば今以上に本気で、どころか人員補強含めて取り組んでもらえそうな気がする」

「お、調子が出て来ましたねえ。確かに品質保証部は自力で稼いでいないといつも業績会議で吊るし上げ食っているので、汚名返上と頑張るでしょう」

何だか、全方位ウィンウィンでハッピーになってきた。さーてまずは体制構築だぞ。

災い転じて、どころか愚痴転じてビジネス生じるとなった。人材は豊富にいるし、並木さんも安心してお任せできる。どこにも問題なさそう・・・だよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ