(第46回)カーメーカー様納品
カーメーカーは話も気も早いので、ドンドン進める必要がある。さて、今後はどうなっていくのかな
議事録にお客さま承認をいただけたので、正式契約しいよいよ本日納入である。
全世界に年間一千万台以上出荷するマンモス会社は果たして何車種に搭載するのだろう。契約上は販売台数1台当たりの単価でロイヤリティをいただくので、より多くの車種に搭載してほしいものである。
納品の挨拶に行くついでに使用台数規模を聞いてみた。
「え、年間何台使うかって?まずは売れ筋1車種に搭載して状況確認し、良ければ2年目から全車種です」
ウーム、1年目勝負だなあ。
「今は各国の警察にこのシステムを紹介して、犯罪者リストとのリンクを提案してます。その交渉次第で初年度から使用台数が上下しますねえ」なるほど、抜け目ない。国内の警察とは我々の仲介でデータリンクはすでに了承されている。おそらく、警察にも各国警察から問い合わせが来ているであろう。
良いほうに考えれば、評判が評判を呼んで、世界中の警察およびカーメーカーが採用してくれ、労せずして世界制覇であるが、悪く考えれば評判が癪に障る犯罪者がハッキングに精を出し、システム無効化のリスクがあるかもしれない。
などと会社自席で妄想に耽っていると、スマホに見慣れぬ番号から着信があった。海外からの発信と思われたが、国が識別できないのでとりあえず応答
「ハロー」
「もしもし、開発責任者の方ですか、こちらはイギリス大使館です」おお、日本語だ、助かるなあ
「はい、開発部門のkと申します。どういったご用件でしょうか」
「実は我が国のカーメーカーからこのシステムを搭載したいという相談があり、色々と伝をたどって貴方の連絡先を入手しました。お話を伺いたいですが大使館にお越しいただくことは可能でしょうか」
詐欺電話の可能性もあるので、連絡先と氏名、職位を聞いて、インターネットでどうやら本物らしいと確認した後、こちらから電話したところ、先ほどの本人=デービスに繋がった。
「すみません、貴方の素性を確認するのに時間がかかり、遅くなりました。すでに業務時間終了していますよね?」
「いえ、こちらからお願い足ている立場なので問題ありません。それで、お越し頂けそうですか?」
「正直なところ、輸出は想定していなかったので、その辺の問題がないことを確認した後で無いといけません。まずは3日待ってください。」「承知しました。3日後に良い知らせを期待しています。念のため私の携帯番号お教えするので、返事はそちらにお願いします」
「わかりました。いけそうなら日程含めて相談しましょう。訪問の際は営業も一緒に言って良いですよね」「勿論です、契約のことも聞きたいし」
これで電話終了である。3日と言ったが、輸出規制については問題ないことを既に確認済であり、時間は社内調整のために貰ったものである。今後こう言った引き合いが増えるかもしれないので、最初に方法を確立して、Ñ倍化を狙いますぞ。
遂に直接海外から引き合いが来た。今後続々と・・・ということになるかしらん。