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冤罪  作者: ニベア王子
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(42回)システムの行方2

遂に全国規模での拡販が始まってしまう。心配しかないけど

 あっという間に全国営業にプレゼンする日がやってきた。野心旺盛な事業部長は自分がプレゼンするので私と並木さんはリモートで気になる点をチャットでお伝えする役目となった。

開始時間となり司会のグループ会社室長が

「えー、全国の営業関係者の皆さん、ご参集並びにリモートでのご出席ありがとうございます。本日はグループ会社のi社さんが開発されJR様や県警本部様にご採用いただいているシステムをグループとして拡販いただきたく、i社事業部長様にプレゼンいただき、皆様へのご協力をお願いしたく存じます。では最初に社長から一言いただきます。」げげっ、社長が出てきちゃったよ。マジか

「皆さん、ご出席ありがとうございます。」「一昨日、室長からこのシステムの話をお聞きして、当社の社会貢献活動に大きな役割を果たせると確信し、出席することにしました。」室長のゴマスリに使われたか・・・。「当初このシステムは痴漢犯罪摘出かつ冤罪撲滅目的で開発されたようですが、それが警察においては被疑者の行動監視に使えるとの観点で大活躍しており、嬉しい限りです。どうか、運用状況も頭に入れた上で活発な拡販活動をお願いします」

「社長、ありがとうございました。ではいよいよシステムを紹介していただきます。i社事業部長。よろしくお願いします。」

後は例によって事業部長の立て板に水演説で、自分が警察システムに多数検出されたエピソードなど紹介し、大いにウケていた。

質疑応答の時間になると、営業のトップからコメントがあった。

「大変興味深いご紹介、ありがとうございました。できれば先ほどエピソードで登場した設計課長にもお話を伺いたいのですが、参加可能でしょうか。」うわ、きたーーーコトワッテクレエ。

「はい、こういうこともあろうかと、チームス上で待機してもらってます。設計課長。ご挨拶してください」ええい、やぶれかぶれだ。

「只今ご紹介にあずかりました設計課長のkです。すでに事業部長が大半話したと思いますが、どういったご質問でしょうか」

「ああ、そうですね、疑問点は有りません。ただ、野次馬的興味で、開発時に最も苦労した点をお聞きしたかったのです。」

「承知しました。先ほど事業部長が申しましたように。このシステム開発では最初に変態顔のサンプル収集から始めました。と言って我々が警察の性犯罪前科者リストを閲覧できるわけもなく。手作りですすめました。その方法が・・・」と、近隣で女性を物色し自撮りでサンプル作成し、それを外注さんで量産した話を紹介した。例によって、外注さんが自分の顔真似で同じ顔が大量にできたくだりはオオウケだった。」「なるほど、思わぬ苦労でしたね」

「しかし逆にそこを改善することでシステムの性能アップにつながったと感じます。最終的には作り方を見直したことで、多数のサンプルが手に入り、平常顔から異常時の表情を類推する特許が手に入りましたので」「いやあ、素晴らしい、災い転じて、ですね」最後に社長から謝辞と改めて営業への協力依頼、事業部長からチームスで良いね、が届き会議が終了した。終了後に事業部長とチームスで会話

売り上げや利益配分を聞いてみたが、気にするな、自分が決めるとのことで不安だけが残った。

自分が親会社移籍するために今の会社の利益はゼロで進めるつもりじゃ?と邪推する自分であった。


結局懸念の利益配分などわからぬまま始まってしまうようだ。社長も親会社に良いポジションで復帰したいだろうから。困ったなあ

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