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冤罪  作者: ニベア王子
42/65

(番外編の続き)

いやあ、職業病とはいえ、自分が多数検出されているのは嫌な気分である。それに加えて今日は県警本部長から呼び出され、営業課長と訪問である。まさか、逮捕されたりしないよなあ

「コンコン」

営業課長が緊張気味に本部長室ドアをノックした。

直ぐに秘書の方が迎えてくださり、室内に誘導され、応接セットに座るよう本部長から声がかかった。

「いえ、本日はご用件も不明ですので、まずは立ったままお伺いします」と自分。

「設計課長、まあまあ、取って食おうというんじゃないのでかけてくださいよ。でも心配なら言っておくと

設計課長を県内で指名手配にしようかと思って」

「ええ!」

「いや、システムでたくさん検知されてるからさあ。刑事部長に相談したら大笑いされて、あれ?課長から聞いてないんですか?あれは設計課長の努力のたまもので、開発というのは我々警察官には想像できない苦労があるんですなあ、と事のあらましを説明してくれたんですよ。

でね、事情は分かったけど、これ知らないの僕だけなの?

刑事部の係長が内密にって相談してきたんだけどと、とかみついちゃったよ。」そしたらさあ

「それはいけませんねえ。課内というか県警全体に周知するよう刑事課長にきつくお灸をすえておきます。」

「うーんお灸は僕が据えたいけど、直属上司じゃないと、彼の中でオオゴトになっちゃうね。」

「ご理解、感謝いたします。」

「ということで、思ったけどやめたし、疑って申し訳なかったからお詫びしなきゃと思ってご足労いただいたんですよ。また、このままだとJR利用時も同じこと起きるでしょう。だからあちらの取締役に情報共有しときましたよ。あいつは大学の同級生なんで、個人ホットラインでね。」

「色々お気遣いありがとうございます。本部長へのご報告漏れをとがめられるどころか、JR様でのトラブルまで予防してくださり、お礼の言いようもありません。気持ちとしては増設費用を値引きしたいくらいですが、あいにくそんな権限もありませんので、口先でお礼申し上げるしかできません。」

「ああ、いいよいいよ。僕もドタバタと結構楽しんじゃったし。JRには感謝されたしで得しかしてませんから。」

なんとも良い方である。

スマホにJRターミナル駅の駅長から電話がかかってきた。本部長に一言断って窓際で通話すると

「設計課長、聞きましたよ。確かにうちのシステムに多数摘発されてますねえ。僕は直ぐに気付いて、最初に無償提供いただいた駅長に相談したら、彼は、そりゃ開発の時にそういう顔の練習してたんでしょう、だって。彼は某家電メーカの研究所からの転職組だからそう理解してみたいだけど,一昨日取締役からメールで連絡が来て、ドンピシャだったから驚きましたよ。ひょっとして今、県警本部ですか?」

自分は状況を説明して、連絡くれた駅長にお礼を言って通話終了した。この内容を本部長に報告すると

「皆さん、設計課長を心配してるんですなあ。やはり、万が一逮捕でもされて、この先の協力がもらえなくなると困るからねえ。まあ、ウチが逮捕しない限り、そんなこと起きないけど」

なんだか下がったり上がったりで」落ち着かない。

「でも、さすがですねえ。刑事課長との会話以降は一度も検出されていない。良く制御できますねえ。

どうしても素敵な女性を見たくなるでしょう。」

「そうですね、見たくなります。なので、素敵な女性を見つけた瞬間に、意図的に最も興味をそそられない女性を見るようにしていました。」

これで本日のミーティングはお終い。帰路、営業課長が

「方法論は分かりましたが、魅力的な女性は見たいでしょ。よく我慢できますね。」

「いやあ、自分の身を守るためならそれくらいやりますよ。」

ウソである!

実は今かけているメガネは小型カメラ内蔵で自分が外出時に見聞きした映像音声は録画されている。

それを帰宅後や、会社自席でスマホで眺めているのだ。おそらくその時の顔たるや・・・やっぱり会社でみるのはやーめようっと。

所詮凡人の浅ましさ、単なる盗撮野郎になり下がった。

なので県警本部長。やはり指名手配が正解でしたね。


今日のやり取りも全部録画残ってますよお。

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