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冤罪  作者: ニベア王子
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(番外編)県警殿エピソード

追加注文確定しホッとした。こういう時に予期せぬことが起こるものだが・・・

追加機能の注文が確定し帰社しようと挨拶したら刑事課長に耳打ちされた。

「設計課長さん。ちょっと残れますか」

「ハイ」

「別の小部屋で二人になると。刑事課長がちょっとニヤッと笑って

「例のシステムに設計課長の記録がたくさん残っているんですよ」

「ええーーーっ」

早速その場でシステムを使わせてもらうとなるほど残っている。動画を見てすぐに理由が分かった。

「ああ、これは職業病ですね、このシステムを開発するために。変態顔のサンプルを作る必要があったのでまずは自分がやったのですが、どうやら街中で気が緩むと女性を物色・・・いや・・・点数付けというか、それが癖になっていて表情も追従した結果、システムに検知されたようです。」

「まさか貴方本当に痴漢を・・・」

「絶対にしていません。そもそもこのシステムは自分が痴漢の冤罪に巻き込まれないように、という発想で開発したものなので。でも、この顔見たら疑いたくなりますよね」

「ハイ、疑ってます」

「でしたらエクセルに候補者登録してください。このことは社内でも報告しておきます」

「懲戒処分とかなりませんか?」

「それは上司が決めるのでわかりませんが、今のところシステム販売も運用も上手くいってますので、おそらく大丈夫でしょう」

「なら良いですが、このシステムはこれからいろいろ機能追加して頑張ってもらうつもりなので、万が一にもアナタに抜けられたら困ります」「候補者リストには載せないので、ここだけの話にしてください」


こういうのを司法取引というのだろうか?いずれにしても帰ったら営業課長に根掘り葉掘り聞かれるので隠し通すことはできませんぞお


帰社すると、営業課長から電話があり、事業部長室に居るとのこと、丁度良い、二人に説明しよう

刑事課長とのやり取りを包み隠さず伝えると、事業部長は大笑いした上に

「あー可笑しい。糾弾した人間がもみ消すって余程このシステムに期待してるんだね。この話さあ面白すぎるから社長にも教えて良い?」

「ええ、社長にでも役員会にでもお伝えください。いつでも辞表が出せるよう準備しておきますから

「まあまあ、そんなつもりはないよ。確かに社外役員のお爺さんの一部は問題視するかもしれないけど、社長がとりなしてくれるって」「はあ」でも社長もコンプラを盾に言われたら、守り切れないだろうなあ。親会社は堅いことだけがウリの会社だし。


やっぱり予期せぬ事態だった。

しかし、糾弾するはずの刑事課長に口止めされるのも変な気分である。

事業部長もわざわざ役員に言わなくてもと思うが、受けを狙いたいのであろう。自分などは刺身のツマでしかないのだ。

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