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冤罪  作者: ニベア王子
33/65

(第33回)ちょっとの疑問

拡販チャンスが訪れたが、どうも「先日の事件はすっきりしない」もう少し考えたら理由がわかるかな

ターミナル駅での痴漢+スリ逮捕事件の翌日、自分はなぜかすっきりしない気分だった。営業課長に

「昨日の事件なんか変じゃないですか?」

「え?痴漢を摘発して警察の捜査にも協力し、そのうえで県警様からお引き合いもらえて、どこが変なんですか?」

「いや、あの痴漢は囮捜査=やらせ=でしょ、だったらなんで痴漢検出システムがあの刑事を見つけ出せたんだろう」

「だって痴漢するわけだから心理状態は同じなんじゃないの」

「だと良いんですけど。もし貴方があの刑事さんだとしてヤラセノ痴漢犯人役だったらどういう心理状態に

なりますかね?」

「そうねえ、まあ痴漢役は嫌だけど、これも仕事だ仕方ない、って感じでしょうね」

「でしょう、でもシステムが検出したのは本気の痴漢顔なんですよ。だから仕事とはいえ、あの刑事は被害者役の婦人警察官に性的興味を持っていたのではないでしょうか?」

「うーんつまりこう言いたいのですか、ミイラ取りがミイラになった。と」

「そうそう、警察内部でどうやって人選されたのか不明ですけど、刑事は以前から婦人警察官に興味があり、たまたま仕事と実益が一致したんですよ」

「ええ!じゃああれは本当の痴漢事件ということ?」「僕はそう思います。警察はいまさら どうこうしないでしょうけど。あの刑事の再犯が心配ですね」

「でももう候補リストに入ったから大丈夫でしょ」

「いやいや、あの刑事はシステムの概要を知っているし、あの駅しか稼働していないことも知っています。なので再犯するなら他の駅でやるでしょう」

「おお、そうかあ。システムのこと知っている人間、我々、駅員、最初に稼働した駅関係者すべてが

今はターミナル駅でしか稼働していないことを知っているわけですな」

「そうです、このシステムの性能も知っている、だから他の駅、路線は安全=やりたい放題=と考えるかもしれません。」

「じゃあ、この話をJRと県警に持ち込んで、一気に全駅₊警察関係施設への配備を提案しましょうよ」

「それができれば最高ですが、それをやるには自分のようなシステム理解者で現場への指導ができる人材が数百名、あと、その規模で動作するかの品質保証試験、これが少なくとも半年はかかると思います」

「なるほど、ビジネスチャンスではあるが、運営できる裏付け無しか・・・」

「仮に受注したら黒字倒産になりかねません」

「じゃあさあ、県警幹部にこっそり相談して例の刑事の行動範囲だけ尾行を付けてもらったら、そこで再犯すれば嫌でも超大口注文がきまっせえ」

「うーん。確かに時間稼ぎにはなるけど。間に合うかなあ」

「並木さんにお願いすれば何とかなるでしょう?」

ホントにみんな、自分より並木さんを信じている。まあ、正しいけど。

早速並木さんに相談すると

「ああ、いつか大掛かりな受注の話が合った時に備えて、ウチの社員10名が準備できてますよ

後、2次外注さんでもう30名追加予定。これにあと一ヶ月掛かりますねえ」

やはり並木さんは神である。しかし100%おんぶというのもカッコ悪いので

「ありがとうございますとりあえず。追加30名までは進めてください。費用は受注後後払いでも良いですか」

「勿論、最初から後請求のつもりでした」

そうだ、神の上に超能力者だった!忘れてた

横で聞いていた営業課長は満面笑みで

じゃあ設計課長、順番は

1.県警幹部に例の刑事の尾行依頼=再犯したら発注内示もらう

2.並木さんと設計課長が並行してリーダー育成

って感じで良いですか?

これはかなり大きなビジネスなので事業部長に説明して、了承必要ですね。

スケジュールは自分が決めて良いですか?

もうまな板のコイである。営業課長の提案を受諾した。

やはり他人と会話するのは大切だな、考えが整理され、理由が判明した。が、同時にビジネスチャンス=自分にはピンチ=となり、このシステムを大化けさせなければいけなくなりそうだ。

また並木さん頼みだがストーリーは提示せねば

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