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冤罪  作者: ニベア王子
32/65

(第32回)ある日

ターミナル駅で稼働開始後問題発生無し、平穏こそ理想ですなあ

ターミナル駅稼働開始から一週間ほど経ったある日、自席のPCに警告が表示された。

どうやらターミナル駅に向かっているJR線社内に痴漢候補者がいるようだ。早速確認したところ

どうやら表情の画像認識で「変態顔」を見つけたようだ。ターミナル駅の駅員たちが、この人物の手元をカメラで狙っている、幸い車内は空いており手元のアップが撮れている。ターゲットの女性を確認したところ

失礼ながら顔の整い具合服装、スタイル、どれもじぶんとしては30点位、だが、好みは人それぞれなので

文句は言えない。

何も無ければ良いが、と思ったその瞬間に電車が揺れて男の手が女性のお尻に触れた。

間髪を入れずに

「この人痴漢です!」

と腕をねじ上げられた。男は「いや、電車が揺れたから不可抗力で」

「ウソウソ、そんなに揺れてないでしょう」

隣の男性も

「うん、確かにそれほど揺れてなかったな」と援護射撃。男は進退窮まるかと思ったがその瞬間

発言した男性の腕をつかみ「痴漢はともかくアンタの手の中にある財布は誰のものだね」

「え、自分のものに決まっているでしょう」

「では、次の駅で降りて本当か確認しよう。私は県警の盗犯課の刑事なんでね。スリの現行犯で逮捕します。乗客の皆さん、財布を確認してください」すると

「あ、私の財布がない。さっきまで内ポケットに入っていたのに」

「お客さん、こいつはスリの常習犯で指名手配されている男ですよ。痴漢騒ぎで皆さんの気持ちが我々に向いたときにすられたのでしょう。お手数ですがあなたも次の駅で下車して、財布の中身確認にご協力お願いします」

あれよあれよという間に4名は駅長室に入り、モニタに目をやると

「あれ、私を撮影してたの?このシステムは何ですか」

駅長は痴漢摘発システムのあらましをかいつまんで説明した。すると

「おお、こりゃ良いねえ。そのエクセルに指名手配犯を入れてもらえれば電車に乗っただけで居場所を特定できるねスリなら犯行現場を撮影できるかも。どうです、メーカーさんに協力依頼してもらえませんか?」

どうやら駅長も警察といい関係を築きたいようで、すぐに自分に電話が来た。

駅長より前に並木さんとチャットしていた自分は一応驚いたふりをしながらも冷静に受け答えした

「なるほど、是非ご協力しましょう。しかし、先ほどのスリはすでにうちのシステムには登録してあって

犯行の一部始終も撮影できてますよ」

「えっ、でもうちのモニタには痴漢役の刑事しか警告無かったけど」

「すみません。こっそり新機能として我々のシステムにだけ通知が来るようにしておきました。無断で申し訳ありません」

「ああ、それなら良いですよ。犯行の瞬間映像は警察に提供できますか?」

「勿論です、何なら駅長の指示でこっそりやっていたことにしていただけると助かります」

「良いでしょう、手柄の横取りみたいだけど。そして今後はうちのシステムもアップデートしてくださいね。」「承知しました」

自分こそ手柄の横取りである。こっそり機能アップしていたのは並木さんで、先ほど詫びがてら連絡もらっており。あたかも自分のアイデアの様に説明してしまった次第。

しかもこれはバージョンアップなどではなく、従来機能を使っている上に画像認識も特徴点抽出など不要で一致箇所が多ければヒットする単純比較なので、新たな品質確認試験も不要である。

でも警察が乗り気だといよいよ追い風が吹いてきたかもね。


思わぬ展開で警察への拡販ルートができてしまうかもしれない。確かに組み込み機器にこの機能搭載して

原付のおまわりさんの巡回時に指名手配犯見つけられたら使えるかもね

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