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冤罪  作者: ニベア王子
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(第28回)拡販活動

さて、全駅配備提案をしてもらうにはどうすれば良いのだろう。全然見当もつかない

模擬事件後、事業部長命を受け、自分と営業課長は最寄りのJR駅に日参している。

勿論目的は駅長に首都圏全JR駅へのシステム配備提案をしてもらうことである。

だが、駅長はなかなか首を縦に振ってくれない。当然であろう、正確には実績は一件しかなく

試験的に無料導入したものなので、話の持って行きようが無いのである。

我々も全駅に無償提供はできないので、無理強いもできない。駅長が提案できる方法を提示しなければ話は進まないのだ。今日も成果なく社に戻って営業課長と反省会である。

「設計課長、八方塞がりですね。」

「全くです。打開策を考えないと」

「いっそのこと、仕込み事件をバンバン起こしますか?」

「イヤ、それはまずいでしょう。バレたらもともこもない」

「あの駅への無償提供はいつまででしたっけ。」

「契約は6ヶ月です。」

「それ以降有償契約できますかね」

「そうですね、有償契約の雛形提示しないといけませんね」

「そうそう、雛形、雛形ですよ。それがあれば駅長も全駅配備を提案できるんじゃないですか?」

「え?何故」

「だって今は無償だけど、全駅無償ですとは言えないでしょう。しかし費用根拠もない。話の持って行きようが無いじゃないですか」

「そうかあ」暗闇に光が差した気がした。

「全駅配備をいきなりお願いするのではなく。第2の無償提供駅を紹介してもらい。そこでも今回と同じように仕込み訓練をして、そのうえでステップアップして、徐々にメニュー化していきましょうよ。」

なるほど、合点が行った。

翌日、駅長に近隣のターミナル駅への無償提供紹介を相談すると

「おお、また無償で!良いですなあ。来週近隣区域の駅長会議があるので、今回の成果の宣伝と希望する駅の聞き取りを提案してみましょう。でも、ご希望の駅で無かったらどうしますか、あるいは無償ならと全駅希望してきたら?」

「それは恐れ入りますが、無償提供はあと一回しかできないので、なるべく利用客の多い駅か痴漢犯罪でお困りの駅にしたいとメーカー要望があると言っていただけませんか?

「了解、その条件を満たす駅は確かに一つしかありませんね。任せてください」

かくして、大事な拡販活動をお客様に実施いただくこととした。

希望通りに進めばいいな。

地味だが、妥当な方向に進んでいる気がする。提供先が希望の駅に決まりますように。

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