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冤罪  作者: ニベア王子
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(第26回)模擬事犯再トライ

訓練は行わず実際の事件が起きたために窮地に陥った。なんとか打開しなきゃ

事業部長と会話した翌日、営業課長と共に件のJR駅を訪問し、駅長さんに再試行の提案をしていた。

駅長氏は

「申し出はありがたいですが、先日の事案で検出能力は証明されたし、駅員も問題なくシステム操作できたので不要では無いですか?・・・うーむひょっとして設計課長はプログラムが旨く稼働したのに私が首都圏JR全駅配備を提案するといわなかったので、社内で窮地に立たされているとかですか?」

図星である。がまさかそうも言えない。

「勿論全駅配備を提案いただければ望外の喜びですが、自分の真意は他にあります。

先日は確かに駅員の皆さんも突発事案であったにもかかわらず落ち着いて間違いないシステム操作をしていただけました。しかし、その日は自分が立ちあっていたので、それが原因かもしれません。ですから

次回は自分の立ち合いなしにリモートサポートだけで上手く操作できることを検証して初めて安心してお使いいただけると考えたものです」

「なるほど、一理ありますねえ。御社サポートが無くてもトラブル発生時に問題なく対処できるか、かあ」

おっ!乗り気になってくれたかな

「いや、でも先日も候補者摘出で事前にアラームが出ていました。たまたま同じ電車の初犯でしたが

あのアラームが皆の集中力を高めたと思います。一方で、訓練の犯人も候補者リストに載っているんでしょう。しかもその人が犯人になるので、先日より難易度低いですよね。どうせやるなら候補者リストに追加せず実施すべきではないですか?そうすれば突発事案で駅員が役割を全うできるか、確認できますよね」

100%駅長が正しいので、頷かざるを得ない。

「そうですね、おっしゃる通りです。候補者リスト掲載せずに実施で改めて実施ご検討ください。」

「今日、できますか?」

「いや!それは無理です。犯人にも都合がありますので」

「そっかあ、残念だなあ。じゃあ、見送りますか」

再び背水である。営業課長はテーブルの下で「イケイケ」とサインを送ってくる。

ままよ、並木さんに頼んでみるか。駅長に電話一本しますと断り

並木さんに電話で今日実施を頼んでみる。

「うーん、今日の今日ですか」

「一応先日手配したのは取り消してないから緊急で実施日変更の手配を社内処理しますよ。

「そうまで言われちゃ断れないですね。いいでしょ二人に依頼します。発生時間は先日打ち合わせの17時で良いですか7」

「ハイ、それでお願いします」

喜び勇んで駅長に17時実施可能を報告すると、さすがにここまで来たら断れないと思ったのか了承してくれた。ただ一言

「本件発注は完了してますが、実施日に実施しなかったので検収には時間がかかります。多分来月末。

それで良いですか?」

そりゃ飲むしかないわなあ。承知しました。と回答して駅長室を退出し、会社に戻った。

勿論手配変更と事業部長報告である。変更手配は度々やっているので、30分で終了事業部長もすぐに面会でき、本日実施を報告すると

「えーー、もう今日やるの。大丈夫?」

「まあ、もともとやる予定がずれただけなので大丈夫と思います」

「で、上手くいったら全駅配備?」

そういえばその件忘れてた。営業課長に強力プッシュしてもらうしかないなあ。

「営業さんがきっとやってくれるはずです。駅長も全駅配備目指すなら今日やろうといったので」

「んじゃその線で議事録作って駅長のサインもらってよ」

確かに嘘はついていないし、その議事録にサインしても全駅配備を確約はしていないので大丈夫だろう。

それを口頭で伝えたうえでサインしてもらおうっと、さて、今回は実事件と被るなよおおおおお

打開できた!のかな?あと数時間後に結果が出る

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