(第23回)模擬痴漢事件事前相談
あまりに起きない痴漢事案を訓練形式で疑似発生する。アイデアは良いが、やってくれる人は居るんだろうか?
あれから2日後の15時、並木さん来訪2名の男女を連れてきた。
「設計課長。この2名が犯人と被害者です。」
「はい。で、内容は理解されているんですよね?」
「勿論です。この2人は交際中、女性は劇団所属の役者修行中です。
当日は、彼にお尻を触ってもらい。その手をつかんでねじりあげ「この人痴漢です!」と叫んで
例のJR駅でホームに引きずりだします。その後駅員に引き渡し、彼は犯行を認める。という筋書きです」
「なるほど、完璧なストーリーですが、そうすると彼はその後警察に逮捕されますが良いんですか?」
「勿論そうでなきゃ事件にならないでしょ。最終的には彼が必死にお詫びして示談で終了します。」
なるほど、さすが並木さんはミスターパーフェクトだなあ。
「しかし、警察の調書に記録が残って、本当に前科者になるのではありませんか?」
「うーん自分もそこまでは調べてませんでした。前科者となるとその後の人生にも影響しますねえ。
でも、ウチの社員ですから、私が悪い査定をしない限り、あるいは彼が転職しなければ大丈夫でしょ」
やはり並木さんにはかなわない。提案通り実施することで即決した。
さて、駅長が来るまでまだ30分あるな。今のうちに並木さん案を発注しておこう。そうだなこれは事業部長にも事後報告必要だな。
発注処理が終わるとちょうど16時となり、営業課長と駅長が入ってきた
並木さんとのやり取りを説明すると駅長は
「素晴らしいアイデアだ、やりましょう」とこれも即決、費用概算を提示するとそれも了承された。
持つべきは並木さんである。
さて、あとは事業部長に報告して決済をもらい。さて、いつ実行しようかなあ
驚きの並木さんアイデアで問題解決。しかしどうやってあの二人に納得させたんだろう。ひょっとして
模擬事件現場を撮影させろとか、無理難題を言ってこなければいいけど・・・