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冤罪  作者: ニベア王子
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【第19回】売り込み開始

外部提案が可能になり、営業部が動き出す。売れる期待は全くしていないが・・・

さて、並木さんの活躍により営業部が会社最寄りのJR駅に売り込みを始めてくれた。最寄りのJR駅は東京や新宿といったマンモス駅ではないし、中央線や埼京線のように痴漢多発で名だたる路線でもない。話は聞いてくれるらしいが進展は期待できないと思う。

ある日、営業部内で懇意にしている営業課長から状況連絡したいと誘われたので快諾した。

設計事務所隣の会議室を確保し馴染みの営業マンと会話した。

「いやあ設計課長、行ってきましたよ」

「ありがとうございます。で、どんな感触でしたか?」

「目茶目茶好感触でしたよお」

「えっそうなの?」

「実は僕も期待していなかったんだけど、製品のさわりを説明した時点で駅長さんが大乗り気で、

どうやら最近SNSで仲間を募って集団で痴漢をはたらく連中がいて、頭を痛めているみたい」

「何人か目星はつけているけど駅員を張り付けるわけにもいかないし、顔画像だけでカメラで居場所特定してくれるだけで大助かりだって」

「おお、こんな地方でもそんな事件が起きているの?いやな時代ですねえ」

「全く。で駅長の話ではオフレコだったけどその連中のほかにも痴漢の前歴者リストもあるらしくて並木さんが作ったエクセルに張り付けるだけですよーーってせつめいしたら、すぐにこれだ!欲しかったのはという話になり、最寄り駅はおろか近隣のJR駅に紹介して,効果出たらJR東日本全駅配備で提案してくれるらしい。そうなれば日本中のJR、私鉄各社、地下鉄、バスも巻き込んで一台ムーブメントが巻き起こせますよ。」

「おおっ、でも話が旨すぎて逆に腑に落ちないんですけど」

「ですよね。まあ、今のはベストケースを語ってみたので、念のためそうなっても対応できる体制案を考えておいたほうが良いですね」

「話が大きすぎて頭がついていかないんですけど」

「勿論ご協力しますよ。懇意の保守会社があるので365日24時間体制を依頼したらいくらでやってくれるか聞いておきます」

「至れり尽くせりでありがとうございます」

「ところでこの話、事業部長にも上げたいんですけど、良いですよね。もう営業部内は大盛り上がりで、来年度以降の右から上がり中期計画が早くも策定始まりましたよ」

ここまでで話は終わった。事業部長への報告は営業部もしないわけにもいかないので

断ることはできなかった。

 ベストケースとは言っていたが、えいぎょうさんが聞きつけた話が本当だとすると、ありえないことではない・・・と会社幹部も思うだろう、そうすると保守作業を外注するということは継続的に上がる利益を放棄することになるので、絶対自分に社内で体制を作るよう命令があるだろう

ベストケースを考えながら憂鬱は深まる一方である。

ベストケース=ワーストケースとはこれ如何に、どうか成果をあげませんように

ってそれじゃあ本末転倒だよねえ

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