【第12回】やっと開発始まった感
並木チームが始動し開発は大きく動き出した。
「以上が皆さんへの依頼内容と分担です」
私は本日から作業に着手してもらう並木さんプラス10名のメンバに説明を終えた。
予定通り10名は変態顔の提供で期間1ヶ月以内、1か月後に成果が出ていても居なくても皆さん終了。一方で並木さんは自分の変態顔含めた11人分のデータを基に素顔画像を変態顔にモデファイするフィルター開発を通常の並木さんの人月単価6か月分で請負発注、つまり半年かかろうが1ヶ月で終わろうが成果が出れば作業終了、言い換えると成果が出なければ1年でも2年でも作業してもらう
約束である。事前に社内法務部門、調達課長と相談してコンプライアンス違反にならないとお墨付きをもらった内容で契約した。
変態顔メンバも1日で終わろうが丸々一ヶ月かかろうが、成果達成=終了という条件で所属会社に了解いただいた。まあ、こちらは下請けいじめ感が否めないが自分で考案した手法の実践なので、進捗が思わしくないメンバは自分が指導することを約束した。これで文句ないでしょ。
翌日から作業を始めると、変態顔メンバは「終われば早期終了」がモチベーションとなったのか
三日で5名終了し一週間後には残り1名となった。自分はそのメンバにじっくり極意を伝授して
何とか3週目で終了。最後の一人も実質短納期で終了できた。一方の並木さんは、9名分のデータができた時点からフル稼働し、このところ深夜残業が続いている。外注さんなので自分も残業に付き合わなければならず痛しかゆしだが、並木さんを信じているので決して無駄にならないはずと思っている。そうして作業開始から3か月経過したとき並木さんが
「課長、あと半月、2週間でできると思います。勝手ですが完成納品から2週間、つまり今月中に検収作業を実施していただけませんか?」と相談された。
勿論下請けいじめはできないので
「自分は納品から一週間以内に検査完了するつもりです」と回答した。
この受け入れ試験準備は容易ではないが、変態顔に協力しれくれなかった社員メンバが
全力バックアップを申し出てくれたので、実は彼らに依頼済である。管理職の狡さというか
うまみ、ですなあ。さーって並木さん、社員諸君、仕上げは頼んだよ。
さーて次回無事検収できれば次は売り方考えなきゃだね