第1話 ダイバダッタ
「ここか・・・!」
人狼は、ダイバダッタのワラの家の前に立つ。
「うおおおおおおお・・・・・!」
人狼の姿は、直立二足歩行の狼に変じる。
「おおおおおおお・・・」
そのまま、神波動を高めて、息を吸い込む。
そして・・・
ぶはっと息を吐きだす!
「ゴッドブレス!」
女神を守る星座の戦士が、地上を守るマンガに登場する海の戦士のごとく、息を強化して放ったのだ。
たちまち、ワラの家は微塵に吹っ飛ぶ。
「くくく・・・
これでは、さしもの「ブタの修行僧」も跡形もなく・・・
なにッ!」
言いかけて、人狼は、仰天する!
そこには、結跏趺坐を解かずに座禅を組み、瞑想するダイバダッタがいたのだ!
「よければ・・・
説法などして進ぜよう。
修行になるのでね。」
目を閉じたまま、にこやかにほほ笑むダイバダッタ。
「なめんな!」
人狼は、ダイバダッタの肩に噛みついた。
「おやめなさい。」
「なに言ってやがる・・・」
「あなたのためです。
あなたは、自分を食い殺すおつもりですか?」
人狼は、自分の肩を見た。
「うおッ!?」
人狼の肩は、無残にも巨大な歯形が現れ、大量に出血している・・・
「な・・・
なぜだ・・・!?」
「あなたは・・・
私ではなく・・・
「神仏」を食い殺そうとしているとみなされています。
ゆえ・・・
あなたの攻撃は、すべてあなたに返ります。
悪いことは言いません。
肉が食したいなら、狩りで獣を狩るか、肉屋で買って食しなさい。
人や獣人を食すものでは、ありませんよ。」
人狼は、ダイバダッタに恐怖した!
「やってられるか!」
踵を返し、逃げだした!
「ええい!
今度は、次男を狙ってやる!」