1/5
プロローグ
そこは、獣人の国・・・
オークとは似て非なる種族がいた。
彼らを「人豚」と呼ぶ。
人豚の聖人・スッドナには、三人の息子がいた。
長男ダイバダッタ。
次男アナンダ。
三男シッタカ。
スッドナは、息子たちに、10億円入ったマネーカードを渡して言った。
「お前たちは、もう一人前だ。
修行して大賢者「ブッタ」を目指しなさい。」
やがて、三人は旅立つ。
ダイバダッタは、大量のワラを持った農夫の人猫に出会った。
「家を建てたい。
ワラを都合していただきたい。」
こうして、ダイバダッタは・・・
ワラの家を建てて、瞑想に入った。
修行のためである。
アナンダは、きこりの人熊に出会った。
「木材を都合していただきたい。」
こうして、アナンダは、立派なログハウスを建てて
瞑想に入った。
シッタカは、煉瓦職人のケンタウロスや左官の人鼠から、煉瓦や漆喰を買い、煉瓦の家を建てた。
その噂を聞きつけた、人狼が、よだれを垂らしていた。
「くくく・・・
修行僧の「人豚」か。
食ったら「徳」が、得られるんじゃねえか?」
とんでもない、狼もいたもんだ。
「ブタ」だけに。