陸話目
陸話目~七大罪の悪魔〔5〕~
「ん~~ハッ………此所は何処じゃ?」
真っ暗闇の中で目を覚まし辺りを見渡す。
仕事を終えたエヴァーと買い物に行き帰りに飲食店に入ろうとした所で記憶が途切れていた。
ルシは自分の手の方からジャラジャラと音がするので自分が鎖で拘束されている事を理解した。
目を覚まして数分で夜目に慣れてきたので目を凝らす。
隣にエヴァーらしき人影が見えるので注視して顔を確認する。
「寝ているだけじゃな……」
隣からスースーとエヴァーの規則正しい寝息が聴こえてきたのでルシは胸を撫で下ろした。
「誰なのじゃ‼妾達を捕らえたのは!?」
声が建物内で反響してルシに帰ってくる。
「クックック……」
声を出さない様に笑う声が聴こえる。
「誰なのじゃ‼」
「いやぁ~こんな状況で威勢の良いネ~チャンだな~」
ニタニタと笑みを溢した男達数人が現れた。
「何故‼妾達を捕らえたのじゃ‼」
「特に理由何て無いさ」
「どういう事なのじゃ‼」
「強いて理由を付けるなら暇で街をブラブラしていたら目の前にキレイなネーチャン達が歩いて居たから捕まえただけだ」
ニタニタとゲスな笑みを洩らしながら男が近付けてくる。
「やめろ!?妾に触れるな‼妾達に近づくな‼」
「クックック……気が強い女を屈服させるのが最高に気持ち良いんだよな~」
男達がルシとエヴァに手を伸ばした瞬間………
バァーーーーーーーーーン
男達の後ろの扉が埃を撒き散らしなが吹き飛んだ。
「おい…………俺の大事な仲間になにをする気だ………」
壊れた扉から上笹能登が仲間でも震える様な笑顔でパーティーメンバーを引き連れて入ってきた。