拾伍話目
拾伍話目~七大罪の悪魔〔14〕~
頭痛が酷く目を閉じて意識を手離してから数十分から数時間後……聖の膝上で目を覚ました俺を待っていたのは聖の聖母の様な笑顔。
「うふふ……やっぱり能登さんは可愛いですね」
「こんな……図体の大きい男を可愛いってのはどうなんだ?」
俺が怪訝な顔をしながら言う……すると……
「何時だって自分の愛する異性は可愛くてかっこ良くて自分の理想的に見えるものですよ……其は……」
「其は?」
「私にだけでは無い事ですよ」
キッパリと断言する聖……俺はそんな聖の顔にさっきとは違う感じなかった胸の鼓動を感じた。
今、華が咲くほど綺麗な笑顔の聖は俺の頭をなで始める。
俺はそんな聖を横目に俺達の正面で気配を消しながら待機しているマモンを見た。
「マモン、どうした?」
「いえいえ、急用って事では無いのですが主人殿が少しの間休まれておりました故に待機していただけですので……」
「お久し振りです。マモンさん」
「えぇ~お久し振りでございます聖殿」
優雅な笑み溢しながら挨拶をする二人を見ながら俺は思う。
「で、急用じゃない用はなんだ?」
「いえいえ、今はゆっくりおやすみ下さい」
「其れで、内容は?」
「私め達も学園に行っても宜しいでしょうか?」
マモンは真っ直ぐに俺を見ながら言ってくる。
「俺に言わなくてももう許可を貰っているんだろ?」
「………………」
「沈黙は肯定ととるぞ」
「別に俺に許可何てとらなくても良いんだぞ?」
「いえいえ、何を仰って折りますか主人殿は私めの飼い主ではありませんか」
手を広げ芝居じみた動きをしながらマモンは俺に言ってきた。
「ま~好きに生きれば良いさマモンの人生な訳だからな」
「えぇ~好きに生きますとも」
「「フッフッフッフッハッハッハッー」」
二人が笑っているのを見て笑顔のまま聖が抱き付いてくる。
「また、楽しみが増えましたね能登さん」
「あぁ……そうだな」
「二人は矢張りお似合いですな」
マモンが優しい視線を俺達に向けながら呟く。
「こう二人が近くで仲良さそうにしているのはあの時ぶりですかな?」
「そうか?」
「ま~私めが見てない時に仲良くしているなら其は、知らないのですが」
頭痛が酷いので米神を押さえていると聖は抱き締めていた俺を話してまた自分の膝に俺の頭を置いた。
「頭痛が酷いのでしょ?もう少し眠ってください」
「その様ですな……私めも少し用事が在りますので此処で失礼させていただきますので」
「さっきの件は皆にも伝えておけよ」
「ハッ……わかりました」
そう言うとマモンは頭を下げて部屋から出ていった。
「おやすみなさい。能登さん」
「あぁ……もう少しだけ眠るわ……おやすみ」
夜眠れなくなるなと一瞬浮かんだが、俺は考える事を辞めてまた目を閉じた。