拾弐話目
拾弐話目~七大罪の悪魔〔11〕~
スッキリしているサタンを見て溜め息を吐いた俺とマモンは取り敢えず周りを見た。
さっきまで騒がしかった観客もといギルドの冒険者達は俺達と目を合わせない様に視線を下げた。
「いやぁ~さっきまで俺とサタンの事を何か言ってた奴が居たと思うんだが誰だっけかな?」
俺は、わざわざ大きめな一人事を洩らす。
誰が言ったか俺は覚えて居るのだがこれからサタンがストレスが溜まってしまうので発散の為に人柱になってくれ。
「そうでしたね。主人どうします?」
背を向けながら拳を掲げていたサタンはクルッと俺達を見た。
サタンの言葉でさっきまで俺とサタンの陰口を言っていた奴等がビックと震える。
「何かすごい音が聞こえたんですけ………ど……!?」
俺がこれからの展開にほくそ笑みを溢した所で俺の執務室からエヴァーが出てきた。
天井に生えてる男を見てエヴァーが絶句してしまう。
「これから直ぐに顔を出すから待っててくれ」
俺がそう言うとエヴァーは意識をハッと戻した。
「そうですよ‼お城からマスターにお客様が来てるからマスターの執務室に通して待っていたのになかなか来ない上に大きな音がするから見に来てみれば‼」
凄い勢いでエヴァーが俺に捲し立ててくる。
「其は、ま~色々とありまして……」
「何が色々とありましてですか!?何問題を起こしているんですか!?マスターなんですからギルドの責任者としてビシッとしてください‼」
「………すまんな」
俺は、取り敢えず頭を下げてエヴァーの頭をポンポンと叩いた。
「俺は、客さんの所に行ってくるから……マモン。エヴァー」
「はい」
「何ですか?」
マモンとエヴァーが俺を見る。
「後は、任せた……」
「ハッ……」
「は~任されました」
俺は、客さんが待っている執務室に入り……俺は、天を仰いだ。
其処には……
「ハロ~能登っち‼」
「お久しぶり~」
「お久しぶり」
「お久しぶりです」
「うむ。久し振りだな‼」
この国の王様と俺と一緒に転位して……一緒に旅をしてきた仲間達が居た。