拾話目
拾話目~七大罪の悪魔〔9〕~
パタパタと俺とサタンは一階のギルドに降りる。
しかし、階段を降りた俺達二人に注がれる視線が痛い。
「あれが、屑野郎か?」
「あぁ~何でも隣の幼女とベッドで寝ていたらしいぜ」
「「なに~~!?」」
ヒソヒソ話と言うのが烏滸がましい位大きな声で話している。
しかもどんどん色々な所に飛び火していくし……
「あんな幼い娘に手を出すなんてケダモノ」
「うわ~気持ち悪い」
ヒソヒソ話をしている女性方の視線が汚物を見る様な感じがしてしょうがない……
「主人周りが煩いので黙らしても良い?」
「いや……まだ手を出すな」
「じゃあ……どうする……?」
「取り敢えず俺は、我慢するからサタンも今は、我慢してくれ」
怒りを顕にしようとするサタンを宥める。
俺達はエヴァーの所に行く前にテーブルに座っている自分のパーティーメンバ達の所に行く。
「おはよう‼」
「おはよう‼……ってもう昼も過ぎているのじゃが?」
ルシが俺に注意する。
元魔王の癖に人間の世界に順応しているのか段々エヴァーに似てきやがった。
要するに……口煩くなりやがった……が今は、そんな事よりも……
「マモン」
「はっ」
さっきまで執事服を着て片手に本を持ち優雅にティータイムをしていたマモンが俺に声を掛けられた瞬間俺の後ろに現れて跪く。
「助けてくれ」
「どのようにして」
「取り敢えずサタンが今は、我慢してくれているから良いが……」
「分かりました。サタンが暴れないように少し脅してきましょう」
俺とマモンが話を終えて俺がエヴァーの所に行こうとすると……
「昨日はすまなかったのじゃ……」
俺の服の裾を持ちそっぽを向きながら頬を染めてルシは俺に礼を言ってきた。
「あぁ……気にするな」
「妾達が無闇に買い物に行ったばかりにすまんかったのじゃ」
「何度も聞いたから大丈夫だって」
俺は、笑顔でルシの頭を撫でた。
その時………
「おい‼ネェ~チャン俺達とお茶でもしようぜ‼」
図体のデカイ男が子分を引き連れながら俺達に近付く。
一瞬だけ俺達は男達に視線を向けて話を続ける。
「セトのお陰で妾達が助かったのは事実じゃからな」
「気にするなって……」
「そうよ~気にしたらダメよ~」
「そうニャスー‼」
ベルゼとベルフェが笑顔でルシに話し掛ける。
また、メイド服を着たアスモはケーキを皿に盛り付けてルシ達に配る。
「お食べになってください。其で謝るのは止めましょうね」
そのとき、無視していた男達達が手を伸ばして来た。
伸ばした手がルシ達に触れる所で手が叩かれる。
「あんた邪魔だよ……」
「邪魔とは何だ‼俺は、Bランクの冒険者なんだぞ‼」
その手を叩いたサタンから怒気が漏れ出てくる。
やっとの思いでサタンが怒らない様にしたのにこの男達のお陰で水泡とかしやがった。
Bランク……何て俺達に勝てる訳がないのに無知とは怖い物だ……と思いながら俺は、顔を上にあげる。
「高々Bランクごときが煩いよ……」
そう言うとサタンの動きは速かった
メンドクサイのでサタン以外の俺達パーティーメンバーは黙って傍観することにした。