玖話目
玖話目~七大罪の悪魔〔8〕~
「何で居るんだ?サタン?」
男物の大きめなシャツを着た青色の長髪幼女……サタンがベッドから体を起こし目を擦る。
「おはよ……主人……」
「あぁ~おはよう」
「ん」
彼女は自身の脚に着けている朱色の石が付いているアンクレットを弄りながら首を傾げる。
「で、何で居るんだ?サタン?」
「ずっと一緒に居たから?」
俺は、自身のパーティーメンバーの幼女サタンを見ながらエヴァーにバレなくて良かったと内心安堵した。
すると、サタンは小さく欠伸をしてまたベッドにこてっと倒れる。
「おやすみ……」
「こらこら寝るんじゃない」
「や~あ」
「や~あじゃない。早く起きて何時もの様にするぞ」
答えながら毛布にくるまる。
俺は、サタンに近付き毛布に手を伸ばす……
その時………
「そうそう‼お城からお客様が来ておりま……」
再びノックも無しに部屋に入ってきたエヴァーと目が合う。
「「…………………………」」
お互いに無言で見つめ合う俺とエヴァー……
数秒だった筈の沈黙が何十分……いや何時間にも感じてしまうほどに俺の精神は摩り切れそうになった。
「あのな……エヴァーこれに……は」
「すみませんでした」
赤面しながらエヴァーが部屋から出ていく焦って階段を降りているのか音が聴こえる。
俺は、この後の展開を考えて冷汗が止めどなく溢れる。
「サタン?どうするべきだと思う?」
「ん~」
俺がやっとで声を絞り出しているとノソノソとサタンが毛布から出てくる。
「焦らずに主人と下に降りて弁解するのが良いと思うよ」
「うん。もう其で良いよ……」
下手に焦ってメンドクサイ事になる前に俺とサタンは普段着に着替えてギルドに降りた。