ろくろは周る
土塊が土塊でなき賛美歌の
リズムのままにろくろは周る
赤道の直下の村の若者の
エロスに濡れてろくろは周る
ただ不死を求めた愚王の切望と
怠惰を笑いろくろは周る
厳寒のアウシュビッツで凍死する
ユダヤの血を混ぜろくろは周る
永遠を忘れたままの楽園の
果汁を湛えろくろは周る
旱魃の大地の歌と暴虐の
慰めとしてろくろは周る
ダヴィンチのペイントナイフを圧し曲げる
母なる笑みとろくろは周る
瞳まで黒きヒジャブの信仰の
闇夜に染まりろくろは周る
アフリカの部族の歌が語り継ぐ
自然の畏怖とのろくろは周る
アラビアンナイトの剣に突き刺され
千夜一夜のろくろは周る
エレクトロニクスに酔った二十五時
孤独な悦とろくろは周る
眠れない白夜のように目が眩む
白濁してはろくろは周る
億万の地球の日夜を数えつつ
太陽周期にろくろは周る
土塊が土塊でない証明に
ただ永遠にろくろは周る
十代の頃に書いた「ろくろ」と言う詩を思い出しながら書きました。
当時の資料も作品も手にないので思い出しながら書いてみましたが支離滅裂に。
今は短歌をやっているので全て短歌調にしてみました。
若い感性って大切掛け替えのないものなんでしょうか。
語彙も感性も足りないなと思いつつ書いてみましたが楽しかったです。