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魔性の瞳  作者: 冬泉
第二章「惑う夢」
82/192

魔性の瞳-81◆「心証」

■ヴェロンディ連合王国/王家の森(湖)


 唇を重ねたのは数秒にも満たぬ短い時間。

 しかし、彼女レムリアの見せた反応は、無垢な少女のそれであり、けして大人の女性のそれではなかった。



──大人びた振舞いをしてはいても、言葉や振舞いほどに大人ではなかったということだ。


──あたりまえではないか。


──エリアド。おまえはわずか17歳の少女に何を求めていたのだ。



 私は震える彼女の髪をそっと撫で、優しく言い聞かせるように言葉を紡ぐ。

 ・・・彼女の心まで届くように、と願いながら。


「・・・レムリア。もし貴女あなたが私のことを怖いと思うなら、私はこのまま貴女あなたの前から姿を消し、二度と現われまい。・・・貴女あなたが興味を持った私という人間が、こういう一面も持っているのは、間切れもない事実なのだから」


 ムーンストーンの首飾りをはずし、彼女の手にそっと握らせる。


「・・・その宝石いしは、貴女あなたにさしあげよう。受け取ってもらえれば、うれしく思う」


 それは、仄かに青みがかった光の揺れる、なかば透き通った白い宝石いし


「・・・その宝石いしが司るという“静寂”が、きっと貴女あなたの心を静めてくれよう。・・・そして、さきほど私が貴女あなたに告げた──“一緒にいてほしい”という──言葉が・・・、“夢”ではなかったあかしとなってくれることを、期待する・・・」

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