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魔性の瞳  作者: 冬泉
第二章「惑う夢」
52/192

魔性の瞳-51◆「謝罪」

■ヴェロンディ連合王国/王都シェンドル/宮殿/レムリアの居室


「あっ・・・」


 口元を抑えたアンヌの表情がみるみる紅潮する。


「わたしの勘違い故に、大変失礼を申し上げました。平にご容赦をお願い申し上げます。」


 スカートの端を摘むと、アンヌは深々とこうべを垂れた。


「申し遅れました。わたしはアンヌと申します。レムリア様付きの侍女でございます。レムリア様とは、レムリア様がこの都にお見えになられてから、ずっとお仕えしております。」


 顔を伏せたまま、言葉を続ける。

 躯が小刻みに震えているのは、自分の失言の大きさに恐れ戦いている為か・・・。


「レムリア様に対する風評についてはご勘弁をお願い致します。

 でも・・・わたしはレムリア様をとても好ましく思っております。

 わたしや、他の使用人にも大変丁寧に、親切に接して頂いております。

 とても・・・とても良い主人です。」


 アンヌの必死の言葉に、エリアドはゆっくりと頷いた。


「どうやら、そのようだね。いろいろと参考になったよ。・・・ありがとう。」


 その表情に笑みを浮かべたまま、エリアドはアンヌの言葉に軽く相槌を打った。


「では、レムリア殿に『馬を連れて、館の前で待っている。』と伝えてくれ。」


 そう言うと、エリアドはゆっくりと扉を開け、廊下に出た。

 扉が再び静かに閉まるまで、アンヌは深くコウベを垂れたままだった。

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