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魔性の瞳  作者: 冬泉
第一章「舞踏会」
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魔性の瞳-23◆「追跡」

■ヴェロンディ連合王国/王都シェンドル/王宮→庭園


「・・・それは、哀しい考え方だ。」


 私は呟くようにくり返す。

 だが、いったい何が彼女をそこまで追い詰めているのだろう・・・。

 しばし薄闇に包まれた庭園をバルコニーから静かに見降ろす。


「ん?」


 ふと、視界の片隅を白いものが過ぎる。


“そう言えば、彼女が着ていたドレスも白だったな”


 やはり、気になっているのか。

 自分自身に問い掛ける。


“まったく気にならぬと言えば、嘘になってしまうかもしれないな”


 それが正直なところだ。


「あれは・・・」


 そう・・・。それは、何者かに抱えられた白いドレス姿の女性だった。


彼女レムリアなのか?”


 一瞬、自分の目を疑う。しかし、その女性は間違いなく、彼女であるように思えた。

 しかも、抱えられた彼女には、どうやら意識がないらしい。


 いったい何があったというのだ?

 まさか王都の祝宴で、このような光景を目にすることになろうとは・・・。


“仕方あるまい。行ってみるか”


 逡巡は一瞬だった。

 バルコニーから人影の向かう方向を見てとると、そのまま眼下の薄闇に身を投じる。


「・・・我が身よ。羽根の重さとなりて、大地に降りん。」


 “羽毛降下”(Feather Fall)の呪文の助けを借りて、音もなく薄闇の庭園に降り立つ。

 そして、私はその人影の後を追った。



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