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魔性の瞳  作者: 冬泉
第六章「炎の都」
192/192

魔性の瞳-191◆「兆候」

■ヴェロンディ連合王国/王都/大聖堂


「・・・判ります。いえ――判らなければなりません。わたしたちには、余り時間が残されていないと言う予感がします」


 レムリアの表情は硬い。


「国王陛下のご判断が必要です。只でさえ危うい均衡にあるこの国を、これ以上の危険に晒す事はなりません」

「オレもそんな嫌な予感がするね」


 ハリーは肩を竦めた。


「建国以来、揺らいだ事が無い大聖堂の結界に綻びがあるんだ。何時、何が起きてもおかしくないね」

「王都が落ちれば、リトルバーグまで遮るものが無い。クロックポートの回復は疎か、我が国は中央部を抜かれ遙か後背地まで席捲され、西部の商業都市群と東部の旧ヴェルナ法王領が分断される。王都を絶対に抜かれる事があってはならない」


 セイの言葉に、黙って聞いていた親衛王騎士達も頷く。


「このままでは、それが現実となりかねないがねぇ」


 ぼやくように言うハリーは、口元に薄い笑みを浮かべた。


「皆さん、行きましょう。ここで話していても、事態は変わりません」

「おっと、姫様の言う通りだ。陛下の所に行こう」

「判った。二人先行だ。後は姫様の周囲を固めてくれ」


 セイの指示に、親衛王騎士が速やかに持ち場に動く。流石は幾多の騎士の中から選抜され、王家直衛の任に着くだけはある。もっとも、その選抜された騎士でも、セイ、ハリーには遠く及ばないのだが。


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