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魔性の瞳  作者: 冬泉
第六章「炎の都」
191/192

魔性の瞳-190◆「感謝」

■ヴェロンディ連合王国/王都/大聖堂


「・・・爆炎剣、送還。」


 低い声とともに深紅の鎧と細身の双剣が紅蓮の炎となって宙に消える。

 エリアドはそのまま彼女レムリアの傍らに歩を進め、静かに声をかけた。


「・・・レムリア。あまり気にし過ぎるな。けして君だけのせいではない。」


 低い声で続ける。


「・・・そう私が言ったところで、気休め程度にしか聞こえぬかもしれないが、このような事態に状況を見誤ることは、ある意味危険なことだと感じるがゆえに、あえて言う。


 おそらく今回の事態は、様々な状況が複合的に重なった結果だと考えるべきだ。そうでなければ、今までありえなかった規模の異変がこうも立て続けに起きるとは到底思えぬ。これは、けして偶発的におこったできごとなどではなく、起こるべくして起きた避けえぬ必然のできごとなのだろう。


 そして、そうなった理由には、おそらく私自身も関わっている。私の場合は、私自身の身に宿した“力”というより、私が持つ“阿修羅”や他いくつかの魔遺物(Artifacts)の持つ“力”せいかもしれないが。」


 少しだけ間をおいて。


「──『“力”は、“力”を呼ぶ。』といった言葉もある。・・・ずっと、あまり良い意味で使われることのない言葉だと思っていたが、今回のことで、私はその言葉を必ずしも悪い意味で捉える必要があると思わなくなった。


・・・今まで、このような考え方をしたことはなかったが、君と知り合って、そうした“力”を持っていたがゆえに“私は君に出会えた”という言い方もできる、ということに気づいたし、君を見て、・・・そしてまたさきほどの者たちに相対して、『“力”とその持ち手は不可分なのだ』ということもわかった。」


 エリアドはレムリアの深い双眸を正面から見て言った。


「・・・レムリア。君が私にそのことを気づかせてくれたんだ。・・・心から感謝する。」


 それは偽らざるエリアドの本心だった。


 長らく停滞してしまっていました。お待たせしてしまっている方々には、申し訳なく思っております。2010年暮れ以来公私ともに非常に多忙で、なかなか執筆まで手が回っておりません。今後も、非常に不定期な更新が続くと思いますが、この投稿サイトが残る限り、更新を辞める事はありません。それだけは、お約束したいと思います。

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