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魔性の瞳  作者: 冬泉
第六章「炎の都」
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魔性の瞳-189◆「心痛」

■ヴェロンディ連合王国/王都/大聖堂


 エリアドの言葉は、レムリアの心の中に漣を(さざなみ)を立てた。


“厄介な状況”


 そう、確かに、状況は厄介だった。その原因となっているのが自分だろうと思うと、レムリアの心には更に大きな波が生じていた。


「姫君? お加減が宜しくありませんか?」


 その表情を暗くしたレムリアに、セイが声を掛ける。


「・・・いえ――少し、闇の気に当てられましたが、今はもう大丈夫です」

「それなら、宜しいのですが・・・」


 セイが言葉尻を濁して言うのをハリーが引き取った。


「姫様、無理は禁物ですよ。我らが付いております故、大船に乗った気持ちで居て下さい」


 場の緊張を和らげようと、敢えて軽妙に言うハリーの言葉は、だが虚しく宙に消える。普段は、ハリーの言葉に突っ込むセイも押し黙ったままだ。


「・・・国王陛下の元へ参ります」


 やがて、漸くレムリアがそう言うと、生真面目に一礼してセイが言う。


「判りました、姫君。謁見の間まで護衛致します」

「ま、陛下に顛末をご報告しなければね」


 ふぅ、と一息つくと、ハリーは行儀悪く親衛王騎士達に顎を杓った。そんなハリーの不調法にも成れてイルンか、親衛王騎士達は眉根一つ動かさずに、左右に分かれて随行の位置に付いた。


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