表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔性の瞳  作者: 冬泉
第五章「闇の舞」
177/192

魔性の瞳-176◆「具現」

■ヴェロンディ連合王国/王都/回廊


「セイ、今は先を急ぎましょう」


 後悔の念を一杯に浮かべたセイに、レムリアは努めて優しく言うと、脚を早めた。


「判りました、姫様。」


 しかし、と続けようとした自分を制して、セイは頷いた。確かに、今は優先すべき事がある。セイは、気を取り直してレムリアの後を追った。


「おっ? 姫様にセイ!」


 次の角を曲がれば謁見の間という所で、数名の騎士を連れたハリーにぶつかった。


「ハリー! どこへ行くのか!」

「大聖堂さ。どうも、あそこが一番きな臭いからね」


 セイが見ると、ハリーが連れている騎士達は何れも緋色のマントに金色の“護王位”の紋章をつけている。これは数居る近衛騎士の中でも、特に選ばれた指折りの親衛王騎士ばかり。


「最精鋭を投入か。陛下のご指示か?」

「そうだよ。陛下は、アクティウムと契那が直衛に入っている。近衛軍も動員済みさ。下手すると、ここに直撃がある」

「何と・・・」


 その時。ビクンと身を震わせてレムリアが今来た方向を振り返った。


「姫様?」


 訝しげに聞くセイに、レムリアは蒼白な表情で叫んだ。


「セイ、ハリー! 大聖堂に、何か、何か迫ってきます!」


 セイとハリーは一瞬顔を見合わせた。


「サイラスっ! 陛下とアクティウムに報告しろ! オレはセイと一緒に大聖堂に行くっ!」

「判りました、ハウ卿!」


 騎士の一人が踵を返すと、謁見の間に向かって走っていった。


「残りは、オレとセイと一緒に来いっ」

「わたくしも行きます!」


 決意を秘めたレムリアに、ハリーは笑みを浮かべて言った。


「端から戦力に計算しておりますよ、姫様」

「ハリー! 行くぞ!」


 セイが走り始めた。近衛騎士達がその後に続く。レムリアとハリーは互いに一つ頷き合うと、セイと近衛騎士達の後を追った。




 超低速の更新ですが――魔性176をお送りします。他のお話しも(残念ながら)全て停滞しておりますが、時間を見つけて、細々とは書いておりますです、ハイ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ