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魔性の瞳  作者: 冬泉
第五章「闇の舞」
174/192

魔性の瞳-173◆「対処」

■ヴェロンディ連合王国/王都/謁見の間


「失礼致します」


 ヴェロンディ国王、契那、アクティウムの三人が話している大広間に、ハリーが戻ってきた。ハリーに付き従ってきた近衛兵三名は、入口脇に直立不動で待機する。


「陛下。近衛軍、半刻で出動準備が整います」

「ご苦労だった、ハウ卿。近衛軍は、機動投入部隊として、王都防衛の第一軍を支援する様に。」

「御意。」


 一礼して、ハリーは国王アーサーの指示を承った。


「陛下。バーナード卿の近衛騎士隊は、大聖堂周囲の警戒に着かせる事が肝要かと思います。」

「近衛だけで足りると思うか?」


 アクティウムへの国王の問いかけは自明だった。セイが如何に努力しようとも、近衛騎士隊で使い物になるのはせいぜい三分の一だからだ。残りを占める貴族の子弟たちは、自分の身を守ることすら覚束ない。


「いいえ。陛下直衛の親衛王騎士ロイヤルガードの投入も必要と考えます。バーナード卿と親衛王騎士達に、大聖堂正面の扉を任せるのが宜しいかと。」

「わかった。その様に、取りはからってくれ」

「御意。陛下のお身柄は、不肖当職と、契那でお守り申し上げます」

「それは心強いな。だが、出来る限り足手纏いにならないようにしよう。」


 そう言うと、アーサー・アートリムは薄く笑った。

 名だたる剣豪に鍛えられ、幾多の冒険で実地訓練を積んだ国王の剣技の腕自体は、王国三騎士であるセイやハリーに準じる水準だった。だが超常的な相手だと、幾ら剣技が優れていようが分が悪い。ヴェロンディ広しと言えども、その様な相手に対しても十全に対処できるのは王国三騎士筆頭にして、神槍“カラダン”を担うアクティウム・エパミノンダス――この人だけだった。



 

 「魔性173」をお送りします。今年の「魔性」は、これで打ち止めです(笑)。来年も、「魔性」を宜しくお願い申し上げます。

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