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魔性の瞳  作者: 冬泉
第五章「闇の舞」
173/192

魔性の瞳-172◆「即応」

■シェンドル/王宮/謁見の間→近衛軍本営


 謁見の間を辞したハリー・ハウは、足早に王宮の正面玄関から外に出ると、隣の館に急いだ。その館──と言うよりは小規模な“城塞”と言った方が早いのだが──それは、周囲に水堀を巡らせ、正面入口に跳ね橋さえ掛かっていた。王宮にそぐわないこの館こそ、王都シェンドルの最終防衛を担う精鋭近衛軍の本営であった。


「やぁ、ご苦労様」


 こんな時でも、ハリーは入口を固める近衛兵に声を掛けるのを怠らない。その気さくな態度と相まって、ハリーは近衛軍の将兵から絶大な信頼を得ているのだった。


「司令官、如何致しましたか?」


 不意に帰館したハリーを、副官アーウィンが出迎えた。


「仕事だよ、アーウィン」

「出撃ですか?」


 飲み込みと反応が早くなければ、ハリーの副官は務まらない。その点、若年ながらこのラルン・アーウィンはハリーが(密かに)評価するだけあった。


「すぐにはじゃないけどね。総員、出撃準備だよ」

「了解です。当直の第二連隊は即応可能。第一、第三、第四連隊は三十分で即応準備します」

「オッケー。糧食は三日分を持たせて。それ以上の補給で対応――準備させておいてね」

「作戦行動の準備は整っております。一週間は即応可能です」

「上出来。オレはまた戻らなきゃならないんで、あとは宜しく」

「伝令を三人付けます。ご指示は迅速にお願いします」

「わかった。じゃ、また後で」


 真面目に敬礼するアーウィンに適当に手を振ると、ハリーは近衛兵三人を連れて本営を出た。



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