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魔性の瞳  作者: 冬泉
第五章「闇の舞」
169/192

魔性の瞳-168◆「戸惑」

■ヴェロンディ連合王国/王都/大聖堂


 男の姿は、まるで闇に溶けるかのようにゆっくりと消えていった。


 ・・・少なくとも、しばしの時は得られたということなのか?・・・


 立ち尽くす私を残して、ハリーと契那が大聖堂を後にする。


 ・・・それにしてもあの“旋律”はいったい・・・


 “楽園の泉”。今にして思えば、私がその“旋律”を耳にしたのは、その時が初めてだったのかもしれない。契那嬢の言う“始原の光”のせいか、あるいは“阿修羅”の旋律に重なるように響いてきたもう一つの“旋律”──“楽園の泉”のせいなのか、“阿修羅”を抜いた後特有の全身の“力”を使い果たしたような虚脱感は感じられなかったが、とはいえ、まったく疲労を感じていなかったといえば嘘になろう。


いにしえの盟約によりて』

『我ここにことわりを乱す者を正さん。』


 ・・・“聖句”になぞらえるように“誓い”を口にしてみたものの、私一人の力では、おそらくあの男を退けることさえできなかっただろう。


『己が信ずることを為すために、この剣を取るがよい。』


 ・・・我が師天査。私は、あの時の“誓い”を果たせるようになれるだろうか。


 思わず、誰に言うともない微かな呟きが口を着いて漏れた。



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