162/192
魔性の瞳-161◆「気迫」
■ヴェロンディ連合王国/王都/大聖堂
セイ、ハリー、契那が倒れ伏し、そしてまた――最も頼りにしていた魔剣“阿修羅”の力が急速に失せていく。状況は、レムリア達にとって絶望的だった。
冷笑を浮かべたラ・ルが持つ大剣が、闇句を受けて禍々しい闇の色を帯びる。
だが。
「させないっ!!」
裂帛の気合いを込めて、レムリアが叫んだ。今まで大事に守られてきた彼女だが、セイとハリーに鍛えて貰った剣の腕は確かだ。
レムリアは、その繊手が白くなる程タインの柄を握り絞める。その黒く深い双眸の奥には炎が燃えている。
「古の時代に育まれた理に従い、我が今汝を呼ぶ。大いなる“祖父”よ! 我の問い掛けに応えよっ!!」
ギンッ!! とタインが目映い閃光を放つ。同時に、凄まじい雷鳴の音が大聖堂を振るわせる。
“たとえ、我が身に何が起ころうとも・・・”
ともすれば、手の内から飛び跳ねようとするタインの荒れ狂う力に翻弄されながら、それでもレムリアは強く思った。
“・・・今、アレを解放させれる訳には行かないっ”