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魔性の瞳  作者: 冬泉
第五章「闇の舞」
154/192

魔性の瞳-153◆「接敵」

■ヴェロンディ連合王国/王都/大聖堂


「ふむ。流石に堅固だな。聖都を護る結界だけはあるか」


 酷薄な笑みを浮かべつつ、その黒衣の人物――ラ・ルは大聖堂に通じる扉に手を掛けた。だが、丁度その時――通路を急ぎ走ってくる足音を耳にすると、その暗い笑みを深める。

 大聖堂前のホールに走り込んできたセイと契那は、大扉の前に立つ不審人物を目にするや、その場に立ち止まった。


「おや。礼拝への参加者の追加かね」


 余裕の笑みを二人に向けながら、ラ・ルは揶揄やゆする様に言う。


「何奴!!」


 電光石火、聖剣ノルンを抜刀すると、セイは背後に契那を庇う様に前に立つ。

 そんなセイを見ても相手は全く動ぜず、まるで世間話をするかのように話し掛けた。


「バーナード卿、ですな。音に聞こえた王国三騎士の一角で、恐れを知らない聖騎士でもある」

「ここで何をしているか、と聞いている!」


 相手の戯れ言には取り合わず、セイは舌鋒鋭く言い放った。


「既に、ヴェロンディ王の御前で名乗っている筈だが?」

「何者か、と聞いている! 偽名になど興味はない!」

「勇ましいことだな」


 ラ・ルは鼻で笑って言った。


「だが、相手の力量も測れぬとは――王国三騎士の名が泣くぞ」

「何だと!」

「セイさま!」

「えぇい、契那! 止めるな! 口で言って判らぬと有らば・・・」

「ほう。実力でこの我に勝とうと?」


 面白い、とラ・ルは呵々大笑した。


「貴様が誰であるか、ここで何をしているかはもう問わぬ。答えられぬこと自体で十分だ」


 セイの構えるノルンが光を放って行く。


「どうやら、痛い目に合わないと己の立場が理解できない様だな。まぁ、それも一興か」

「戯れ言をっ!」


 爆発的な瞬発力で前に出ると、セイはノルンを袈裟懸けに振り下ろした!




 魔性153話です。謎の人物ラ・ルが、いよいよその本性を見せます。猪突猛進のセイですが、どうなるでしょうか。続編にご期待下さい。

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