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魔性の瞳  作者: 冬泉
第五章「闇の舞」
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魔性の瞳-149◆「幻視」

■ヴェロンディ連合王国/王都/回廊


「契約の証・・・」


 呟くように、レムリアはエリアドの言葉を繰り返した。言葉がだんだんと反響を始める。この感じは、“夢見”の力が顕れてくる兆候だ。何かが見えるはず。何かが・・・何かが観えてきた。これは・・・聖堂・・・?


「姫さま?」


 契那に呼びかけられて、レムリアははっと我に返った。一瞬、意識が彼方に飛んでいた。


「・・・何かが、観えたわ。大聖堂・・・恐らく、そこに行けば手掛かりを掴めるかも知れない・・・」

「大聖堂ですね。聖水盤をお使いになるのでしょうか?」

「えぇ。そう・・・聖水盤、を使うわ。聖水盤に姿を写せれば、色の変化によってその者の本性が露わになる・・・」


 自分の言葉を自分で確かめる様に話すレムリアに、契那は微妙な躊躇いを感じた。


“気のせい・・・なの?”


 人一倍、感受性が強い契那だから気が付いた事だったが、あまりに微かな兆候に、やはり気のせいだったのだろうと思うことにした。


「姫さま。大聖堂に入る為には、鍵が必要です。わたしのマスターがお持ちですから、借りて参りましょう」

「・・・そうね。じゃ、契那ちゃん。お願い出来る?」

「勿論ですとも」


 拳を握って笑顔を作る。


「一人では、万一の時に何かあっては困るから──セイ、あなたが契那ちゃんと一緒にアクティウムの所から鍵を借りてきて貰えます?」


 先頭を早足で歩いていたセイは、レムリアに呼びかけられて振り向いた。


「判りました、姫君。必ずや、首尾良く鍵を借りて参りましょう」

「セイさま、お怪我は?」

「支障ない、契那。そなたの治癒の術で完治している」


 契那はセイに頷くと、レムリアに向き直った。


「では、姫さま。大聖堂の大扉の前でお待ち下さい。直ぐに戻って参りますので」

「宜しくね、契那ちゃん」



 [20.11.09]文章修正。

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