魔性の瞳-133◆「復活」
■ヴェロンディ連合王国/王都/レムリアの居室
「はいっ!!」
ハウとエリアドが女蛇妖魔と猛禽妖魔を牽制している隙を縫って、契那はセイの所に走り寄った。
地に倒れ伏したセイの息は早く、浅い。
止め処ない深紅の流れが、地面に不吉な模様を描いていく。
「セイさま、今お助けします!」
契那はその小さな両手をセイの傷口に翳すと、瞳を閉じて精神を集中する。
心の奥底から力を引き出す様に。
自分の中から、自分に宿る“モノ”をセイに分け与えるようにする。
『治癒(HEAL)』
その呪言と共に契那の両手が真っ青に輝くと、みるみる内にセイの傷口が塞がっていく。
やがて、ゆっくりとセイが瞳を開いた。
「契那・・・か。すまぬ、手間を掛けた」
「お立ちになれますか?」
「・・・大丈夫だ」
契那の肩を借りると、セイは立ち上がった。
少しふらつくが、最早脱力感は無い。先程まで蒼白だった表情にも、血色が戻ってきている。
拳が白くなる程聖剣の柄を握りしめると、セイは短く言った。
「借りを返してくる。」
「私も行きます。」
一瞬、セイと契那の視線が交錯する。
ふっと笑うと、セイは不敵な笑みを浮かべて頷いた。
「よし。不埒な輩を、全力で叩くとしよう」
「はい!!」
二人は笑みを交わすと、妖魔と渡り合うハリーとエリアドの加勢に向かった。