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魔性の瞳  作者: 冬泉
第三章「心の嵐」
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魔性の瞳-129◆「命賭」

■ヴェロンディ連合王国/王都/謁見の間→回廊→レムリアの居室


「・・・ほめてもらうようなことではない。・・・私は、そういうやり方でしか自分を納得させられない不器用な人間だという、ただそれだけのことだ」


 ハリーの言葉に応じたエリアドの返答には、少し自嘲気味な色彩が混じっていた。

 見れば、その厳しい表情にも、心持ち苦笑いが浮かんでいる。

 ふむ、と一つ息を付くと。

 二人の決意の言葉に、小さく頷いてこう続けた。


「・・・この国が、両陛下と、そして、貴公あなたたちが──命を賭けるに値するだけのものであることを祈っている」


 珍しくも、それはエリアドの心からの想いであった。



『ムーンシャドウさま』


 そんな沈鬱ちんうつな雰囲気を破った少女の声は、憂いの影を伴うものだった。


『レムリアさまの元に急ぎましょう。何か・・・芳しからぬ感じを、受けます』

『契那ちゃんの予感はよく当たる。エリアド殿、姫君の所に急ごう!』


「・・・了解した」


 エリアドは二人の言葉に短く応じると、足早にその後を追った。


 レムリアは、普段王族が済む翼とは反対側にその居室を貰っている。

 何故に、国王と王妃に連なる部屋を貰っていないのか――理由を正せば、それは実に詰まらないモノなのだが・・・

 それで余人からの不協和音が減るとのことで、渋々国王アーサー・アートリムも、王妃アン・コ−デリアも我慢をせざるを得なかった。この国の最高権力者とはいえ、その手足が縛られている悲しき実例だった・・・。

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