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魔性の瞳  作者: 冬泉
第三章「心の嵐」
124/192

魔性の瞳-123◆「弁明」

■ヴェロンディ連合王国/王都/謁見の間→回廊


「・・・やれやれ。セイ殿を完全に誤解させてしまったらしいな。・・・夕食の招待を受けることと、姫君にお会いして、預け物をお返しいただくことは、別の問題だと思っていたのだが。・・・“礼節”というものは難しいものだな。・・・できるものなら、そういうややこしいものとは無縁でいたかったのだが、今となってはそうも言っていられないということか」


 エリアドはは小さく息を吐くと、一転、真剣な表情でこう続けた。


「・・・とはいえ、あまりことを長引かせて、レムリア殿の負担を大きくしたくはない。・・・ハリー殿、今さらで申し訳ないが、自由騎士の称号も、夕食へのご招待も、有難く受けさせていただきたい。と陛下にお伝えいただけまいか。それと、もし御存知であれば、レムリア殿が今どちらにおられるか、ぜひともお教え願いたい」


 深々と頭を下げて頼み込む。


「・・・実は、さきほど、姫君に“太刀”を一振りお預けしたのだ。・・・本来なら、けして他人に預けるような代物しろものではないのだが・・・。それが必要になるかもしれぬと思えたのだ。・・・おそらく、持ち慣れぬ物であることにも加え、長時間あの“太刀”と共にいるのは、いかにレムリア殿とて、かなりの負担になるかと思われるゆえ。・・・どうか、お願い致したく。」


 その時エリアドが見せた表情は、それまで見たことがないくらい真剣なものだった。

 そのエリアドの言葉を聞いて、ふぅ、とハリーは息を吐く。


「まぁ、誰にでも事情はあるってことだろうけどね」


 寄りかかっていた壁から身を起すと、苦笑いを浮かべた。


「わかったよ、仲立ちはしょう。と言うか、そうでもしなければ事態は収まらないだろうしね。おっと、セイの怒りを解くのはその中には含まれていないからね。大体、間接的に話したら、セイの怒りを煽るばかりだよ」

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